介護者としてのロボット Robots as Caregivers
今回の記事は「介護者としてのロボット」という内容です。さていったいどのような内容なのでしょうか。
今回のポッドキャストです。お聴き下さい。
本日のSentence
Even if robots help with caregiving, friends and family still have the responsibility to care for their loved ones.
ロボットが介護を手伝うようになっても、家族や友人が高齢者を大切にする責任がなくなるわけではありません。
ボキャブラリー
| Prediction | noun | 証拠や分析に基づき、将来起こりそうなことについて述べたもの |
|---|---|---|
| Interact | verb | 誰か/何かと相互に影響を及ぼし合いながら関わる、交流する |
| Repetitive | adj | 同じ動作や作業を何度も繰り返す、単調な |
| Accurately | adv | 正確に、誤りなく |
| Look after | phrasal verb | 誰か/何かの世話をし、その必要を満たすよう配慮する |
日本語訳
2035年までに、1,300万台のヒューマノイドロボットが人々の生活の中で働くようになる、と専門家は予測しています。これは、著名な未来予測家でありテクノロジー分野の作家でもあるバーナード・マー氏の予測です。さらに先の未来を見ると、その数はもっと増えます。モルガン・スタンレーの報告書によれば、2050年までに9億3,000万台のヒューマノイドロボットが活動し、その多くは単純で反復的な作業を行うと予想され、約8,000万台は家庭内で使われる可能性があるとされています。
これだけ多くのロボットが存在するようになると、高齢者を支援するロボットを想像する人も多いでしょう。政府のデータによると、アメリカでは65歳以上の高齢者の約3分の1が一人暮らしです。こうした人々にとって、洗濯物をたたんだり、食事を作ったり、家を掃除したり、ベッドから起きるのを手伝ったり、スポンジで身体を拭く介助をしてくれるロボットがいれば、大きな助けになります。中には、話したり、歩いたり、踊ったり、家のパソコンを操作できるロボットも出てくるかもしれません。
これはSFに聞こえるかもしれませんが、すでに現実になりつつあります。ウォール・ストリート・ジャーナルによると、ロボット技術は急速に進歩しています。アマゾンの最新ロボットは、非常に正確に触覚を感じ取り、人間のように物をやさしく扱えるようになっています。テスラのヒューマノイドロボットも大きく進化し、現在では1,000以上の作業ができ、多様な手の動きを使いこなすことができます。現時点ではまだ価格がとても高いものの、専門家は将来の価格が約2万ドルほどになる可能性があると見ています。一方、人間による高齢者介護は年間7万5,000ドルに達することがあり、介護施設なら10万ドル以上かかることもあります。
しかし、ロボットが介護者になると、社会的・倫理的な問題も出てきます。家族や近隣の人々が高齢者を訪ねる責任感を持たなくなるかもしれません。また、高齢者自身も人との交流が減り、ロボットの方が怒りや不機嫌といった感情を示さないため「ロボットのほうが楽」と感じる人も出てくるかもしれません。
では、ロボットが高齢者の介護をすることは良いことなのでしょうか?答えは「はい」ですが、ロボットはあくまでプログラムに従って動く存在であり、人間には本能や自由があることを常に頭の片隅にいれておくことが条件です。 ロボットが介護を手伝うようになっても、家族や友人が高齢者を大切にする責任がなくなるわけではありません。
