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  1日5分ビジネス英語

フィクションがハイテクとして実現するとき When Fiction Becomes Tech

今回の記事は「フィクションがハイテクとして実現するとき」という内容です。さていったいどのような内容なのでしょうか。

今回のポッドキャストです。お聴き下さい。

 本日のSentence

As writer Eliot Peper says, people can build something only after they first imagine it.

作家のエリオット・ペッパーが言うように、「人はまず想像できて、はじめてそれを作ることができる」のです。

 ボキャブラリー

Prostheticadj欠損または損傷した四肢の代わりとなる、またはそれを支える人工の身体部分に関する
Envisionverb将来の可能性として思い描く;心に思い浮かべる
Materialnoun何かを作るために使われる物質、物体の材料となるもの
Instantlyadvすぐに、遅れずに起こる
Bring to lifephrasal verbアイデアや想像の中にしかなかったものを実際に実現させる

 日本語訳

多くの現代技術は、SF物語から着想を得て生まれたものです。作家のエリオット・ペッパーが言うように、「人はまず想像できて、はじめてそれを作ることができる」のです。

その一つが 3Dプリント食品です。昔の番組『ザ・ジェットソンズ』や『スター・トレック』には、ボタンひとつで料理を作る機械が登場しました。これらのシーンから、「料理を“調理する”のではなく、”組み立てる”ことはできないか?」という発想が生まれました。今日では、エンジニアたちが、パン生地やチョコレート、植物ベースのペーストなどを材料に、 “食べ物をプリントする”装置を作っています。

バイオニック義肢も同じような例です。人間の身体と機械を組み合わせるという発想は、はるか昔から作家により描かれてました。その後、『スター・ウォーズ』でルーク・スカイウォーカーが神経とつながったロボットの手を付ける場面が大きな話題になりました。今では、人工の腕や脚などの高度な義肢が、かつての空想を医療の現実へと変えています。

現代都市の光景にも、SFから生まれたものがあります。1982年の映画『ブレードランナー』には、巨大なネオンサインが輝く都市が描かれていました。当時は遠い未来の姿に見えましたが、現在ではどの街でも鮮やかなスクリーン広告があふれています。

動く歩道もよく知られた例です。『ザ・ジェットソンズ』が元になっていると思う人もいますが、実は1900年の万国博覧会が最初でした。また、エドワード・ベラミーやH・G・ウェルズ、ロバート・A・ハインラインといったSF作家たちも、大都市を楽に移動できる“滑る歩道”を描いていました。現代の空港にある「トラベレーター」は、そのアイデアを現実にしたものです。

私たちが使っている携帯電話やスマートウォッチも、SFのおかげと言えます。『スター・トレック』のフリップ式通信機や、コミックのヒーロー、ディック・トレイシーが使っていた腕時計型デバイスを思わせます。

AIアシスタントもまた、フィクションが先に描いたものです。『2001年宇宙の旅』に登場するHAL9000や、『スター・トレック』の話すコンピューターは、現在のSiriやAlexaなど、多くのAIの原点となりました。

そして、ロボット掃除機も忘れられません。作家レイ・ブラッドベリは1950年に、自動で掃除をするロボットを想像していました。その後、アニメ作品でもロボットのメイドが描かれるようになりました。1990年代から2000年代には、実際に「トリロバイト」や「ルンバ」といった製品が一般家庭に広がりました。

最後に、インターネットです。E.M. フォースターやウィリアム・ギブスンといった作家は、ARPANETや現代のウェブが生まれるよりずっと前に、巨大なネットワークや仮想空間を描いていました。

まとめると、SFは未来を予想しただけでなく、未来を作り出す手助けをしてきたのです。

User Comments

【テーマ】When Fiction Becomes Tech / フィクションがハイテクとして実現するとき

kenzaburo.1005さん デバイスだと、次はフレキシブルディスプレイが普及するのではないかと考えています。個人利用としても商用利用としても。
ともさんさん トピック冒頭の「エリオット・ペッパー」さんのコメントや、雨のち晴れさんの「想像→創造」しかり、SF発のプロダクト・サービスだけでなく、身の回りには「不」を解消するために産まれたものにあふれてることをあらためて感じました。

●運転したくない、できない→自動運転
●外に出たくない、できない→デリバリー
●コミニュケーション能力を回復したい→ ブレイン・コンピューター・インターフェイス

などなど…
アンテナ感度高くして、少しずつだとしても自分のフィールドでも想像して実現していきたいと思います。
Hikaruさん 「スタートレック」「2001年宇宙の旅」「ナイトライダー」当時は近未来とはいえ、宇宙人に出くわすくらいに想像の別世界でしたが、タブレット、ウェアラブル端末、いずれも実現しています。SFではないもののレオナルドダビンチの空想から400年後、ライト兄弟が飛行機を作りました。昔からSFからの科学技術への影響力は話題にはなっていましたが、エリオットペッパーの言葉は納得できますね。今後は、AIの力が加わって、ヒトの想像力もより広がって、実現も早くなるのではないでしょうか。
Jtさん SFが技術開発のメカニズムに影響を与える理由について考えてみました。
第一に、技術が存在する前に技術的なビジョンを描くことで、想像力豊かなアイデアを提示するからです。
第二に、研究者が未来から逆算して考え、技術的な課題を特定することを促すからです。
第三に、新しい技術がもたらす文化的・社会的影響に対して、社会が準備するのを助けるからです。
第四に、大衆の期待を形成し、需要を生み出すからです。
第五に、異なる分野の専門家をつなぐ共通言語となるからです。
最後に、人々が革新的なアイデアを正当化できる心理的安全性を提供するからです。
したがって、研究の範囲が広がり、破壊的イノベーションを生み出すための肥沃な土壌が作られるのです。

(日本語訳:I considered the reasons why sci-fi affects the mechanisms of technological development. First, it presents imaginative ideas by drawing a technological vision before the technology exists. Second, it encourages researchers to work backward from the future and identify technological challenges. Third, it helps society prepare for the cultural and social impacts of new technologies. Fourth, it shapes public expectations and creates demand. Fifth, it becomes a common language that connects professionals across different fields. Finally, it provides psychological safety that allows people to justify innovative ideas. Therefore, the scope of research expands, creating fertile ground for generating disruptive innovation.)
Cooさん SFはあまり積極的に選ぶジャンルでは無いと思い込んでましたが、なるほどと感心させられました

私自身も自分のイメージ出来無いことは、自信を持って出来無いのですが、登場する方や作品から想像して形として体現するのは私のイメージとは次元が違う着眼で創意工夫、試行錯誤(と言葉にするのは軽く感じですが)があったのだと思います

これからも、何が生まれてくるのか意識して見てみたいと思います。
M-san (雨のち晴れさんへの返信)
ユヴァル・ノア・ハラリの『サピエンス全史』に人類が他の動物と異なる最大の特徴として「共同主観的現実」の創造と共有能力を挙げています。これが人類の文明発展の原動力とし、「フィクションを共有する能力が大規模な協力社会を可能にした」と。
例えば「神や国家、企業、貨幣、権利などは“共同主観的現実”であり、それを信じる多くの人々がいるからこそ存在している。」と。
M-san 雑感です。
SF小説と言うと、ここ100年位のイメージですが、ChatGPT君によれば、「古代的原型 ― SFの萌芽『真実の物語』(ルキアノス著、2世紀頃)ギリシャ語で書かれた風刺物語。登場人物が月へ旅行し、宇宙戦争に巻き込まれるという内容で、しばしば「世界最古のSF」と呼ばれます。科学的説明こそありませんが、「空想科学的設定を持つ物語」として非常に先駆的です。」とあります。人間は昔から色々考えていたのだなと感心します。
さて、今日のAIがサポートする自動運転カーは、個人的には1980年代前半のアメリカドラマのKnight Riderを思い出します。また今週の某番組で中国のAIサポートの(ボクシングや作業を行う)ロボットへの某氏のコメントで、「「鉄腕アトム」はAI搭載のロボットで、動力は「原子力」、しかも、このAIは悪に立ち向かう」とありました(表現は意訳です)。人類に相当な影響を及ぼすAIは基本「諸刃の剣」ですが、何とか人類全体で知恵を絞り、人類に対する脅威をコントロールしながら将来の人類の発展に向け有効活用を図っていきたいですね。
nobotaさん 未来のことを想像し、夢を持つことは、人が生きていく上で不可欠な要素だと信じています。年齢に関係なく、「こうだったらいいのに」という気持ちを常に持ちながら行動し続けたいですし、英語学習も続けていきます。これは「Fake it until you make it(成功するふりをしていれば、いつか本当に成功する)」の精神にも通じるものだと思います。

(日本語訳:I believe imaging future things and holding your dreams are essential elements for people to live. I will continue to act while always holding onto the feeling of “I wish it could be like this,” regardless of my age, and I will keep learning English. I think this also aligns with the spirit of “Fake it until you make it.”)
orangeさん 日本でのSF作品もあるのかとChatさんに聞いてみると、アトム、ドラえもん、などから、人型や家庭用ロボット、翻訳機、などが挙げられていました。また、攻殻機動隊はちょっと世代が外れているので原作がよくわかりませんが、人間の脳とコンピューターがつながる未来を描いた作品のようです。
これからも日本のアニメ文化が未来への想像力を高め、実現する助けになると良いですね。
スターウォーズは全作見たと思うのですが、先進医療がたくさん詰まっていたのですね。機会があれば復習がてら、もう一度観たいなと思いました。
Salsoulさん 過去のシグナルトピックによると、「ゲームのアイデア」もSFと同様に、想像をイノベーションに変える高い可能性を秘めていると思います。
さらにAI時代の今、人間の想像を超えるアイデアを引き出す可能性もあります。
ウォルト・ディズニーの有名な言葉「If you can imagine it, you can do it(想像できることは実現できる)」こそが、今日の記事の要点だと思います。

(参照トピック:2025年10月06日 未来に向けたビジネスアイデア / 2025年10月29日 サウジアラビア、ゲーム業界の主導権を握る / 2025年07月30日 遊びからイノベーションへ)

(日本語訳:According to the past signal topics, I think that “game ideas” have a high potential to turn imagination into innovation as well as SF. Furthermore, in the time of AI, now there is also the possibility that they may bring out ideas that go beyond the imagination of humans. I think that Walt Disney’s famous quote, “If you can imagine it, you can do it (想像できることは実現できる)” is the key point of today’s article.)
ごっチャン 今回の記事と、今年6月の想像力の必要性の高まり、2021年のマークさんの年賀コメント(温故知新の大切さ)のトピックスから、
「想像力がAIなどの技術進歩に追いつかれないために、温故知新の必要性も高まる」事を予想しました。

今までにも、「スター・トレック」や「ガンダム」など、SFやマンガ、アニメなどの実現化について,シグナルトピックスでも何回も取り上げられてきましたが、その想像したものが現実化するまでの時間が加速化していて、想像したものが陳腐化するスピードも早まっているのでは、そしてSFの分野のクリエイター(小説家、マンガ家、映画やアニメの制作者など)は、更に遠くの世界をしかも説得力を持って想像し、想像することが苦労しているのではと、素人ながらに想像してしまいました。

そして、「日の元に新しきものなし」と言われる様に、過去や異なる分野に学ぶ「温故知新」が、想像力を育むために必要性を増しているのではと感じた次第です。
雨のち晴れさん ホモサピエンスが身体的にはこれだけ弱いにも関わらず生態系のトップ(地球の支配的種に)なれた理由の一つが「想像力(とそれに基づく架空の概念を共有する力)」と聞いたことがあります。
今回の記事にあるようなSFの世界を想像することが出来たから、それを創造することができ、「想像→創造→想像→創造」という無限のループが人類の強みなんだなあ~と感じました。
私自身はあまりSFは得意ではなく、映画もほとんど見ないのですが、それではせっかくの想像力も育まれないな、と思いましたので、今回紹介があったものの中から一つぐらいは見てみたいと思いました(笑)

【その他】

おかえりさん 人事のひとのためのスキルの線引きは各社あると思いますが、重要なところを見誤ると、会社が滅びる恐れもあるなと自社を見ていて思います。
なんでも人を横でくらべるために制度、機械化しますが、何のモチベーションで働くかは人次第なんじゃないかなぁと。netflixの魅力も興味深いですね。

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