大阪に息づく「万博の夢」 The ‘World Expo Dream’ Lives on in Osaka

今回の記事は「大阪に息づく「万博の夢」」という内容です。さていったいどのような内容なのでしょうか。

今回のポッドキャストです。お聴き下さい。

 本日のSentence

The Osaka Expo 2025 will run from April to October and cost $66 billion. It will have pavilions from 158 countries.

2025年の大阪万博は4月から10月まで開催され、総工費は660億ドル。158カ国のパビリオンが出展する。

 ボキャブラリー

 日本語訳

1851年、最初の万博がロンドンで開催されました。「グレート・エキシビション」と呼ばれ、新しい発明や巨大な機械、目を見張るアイデアを見に多くの人が集まりました。以来、万博は各国が自国の誇りや発展を示す国際的なイベントになっています。2025年大阪万博が開催中の今、「インターネット時代に、万博は本当に必要なのか？」という声が聞かれます。

では、もう少し詳しく見てみましょう。

歴史家チャールズ・パパス氏によると、「現代の万博は、かつての万博にあったほどの興奮は無く、人々の記憶にも残りにくい」と指摘しています。それでも万博は重要だとされています。特に都市を発展させたいと考える街にとっては、大きな意味があります。

たとえばパリは、1855年から1937年までに7回の万博を開催しました。そのたびに街の姿は大きく変わりました。バロン・オスマンは新たな道路や建物、水道インフラを整備し、今日「オスマン様式」として知られる都市景観を築き上げました。パリのカフェ文化やエッフェル塔も、万博の遺産として受け継がれています。

確かに、万博は初期段階では赤字になることが多いですが、長期的に見ればその経済的・文化的効果は非常に大きなものです。ブルームバーグの報道によると、1984年のニューオーリンズ万博は経済的には失敗でしたが、現在その地域は数十億ドル規模の経済効果を生み出しています。2010年に上海で開催された万博も、約900億ドルの費用がかかったものの、すでにその4倍の利益を上げているとされています。

また、万博はこれまでにルイ・ヴィトンのトランク（1867年）、アール・ヌーヴォー（1900年）、アール・デコ（1925年）、ロックフォールチーズなど、世界的に有名な文化や商品を紹介してきました。

近年では、万博は日本やUAE、サウジアラビアといった非欧米諸国で開催されることが増えています。これらの国々は、万博を通じて国家のインフラを整備し、国際的なイメージを向上させようとしています。たとえば、ドバイは2020年の万博で使用した建物の80％を再利用しています。リヤドも、2030年の万博で同様の取り組みを目指しています。

万博は、過去の遺物ではありません。いまもなお、人々にインスピレーションを与え、新しい技術やアイデアを共有する場であり続けています。目指すのは短期的な利益ではなく、都市や発想、そして国家そのものの持続的な変化なのです。

2025年の大阪万博は、4月から10月にかけて開催され、約660億ドルの費用がかかると見込まれています。今のところ、1970年の大阪万博ほどの盛り上がりは見られていませんが、およそ2,800万人の来場が見込まれており、彼らの意見や体験が、より良い未来を考える手助けになるでしょう。『ジャパン・タイムズ』は、この万博を「未来の壮大なビジョンを華々しく示す舞台であり、その価値を静かに問う試験でもある」と表現しています。