AIを支える隠れた仕事 Hidden Jobs Powering AI

今回の記事は「AIを支える隠れた仕事」という内容です。さていったいどのような内容なのでしょうか。

今回のポッドキャストです。お聴き下さい。

 本日のSentence

This is because once one AI lab finishes labeling data, other labs can use the same data. Also, computers (algorithms) can now do some of this labeling.

理由の一つは、一度あるAIラボがデータにラベルを付ければ、他のラボもそのデータを使い回せること。さらに、コンピューター（アルゴリズム）がラベル付けを自動で行えるようになってきたことも大きい。

 ボキャブラリー

 日本語訳

AIは、ロボット、言語ツール、自動で動く機械、だと思われがちだ。だが実は、AIは雇用の源でもある。世界経済フォーラムによれば、AIは2025年末までに9,700万件の新しい雇用を生み出す可能性があるという。

では、こうした仕事はどこから来ているのか。

AIがうまく機能するには、大量のデータが必要になる。これには文章、画像、音声、動画などが含まれる。だが、それらのデータはAIが理解できるように、丁寧にラベル付けされなければならない。この作業は「データアノテーション」と呼ばれ、世界中のさまざまな地域で何百万人もの労働者が、コメントやタグを追加してデータの意味を説明している。

データアノテーションはAIの構築にとって非常に重要な作業であり、それが多くの雇用を生み出している。インドのIT業界団体NASSCOMによれば、企業がアノテーションにかける費用は2018年と比べて7倍に増えているという。

だが、アノテーションの内容は変化している。かつては、簡単なラベル付けは特別な訓練を受けていない人でもできる仕事だった。多くは遠隔地で行われていた。しかし今では、そのような仕事は減りつつある。理由の一つは、一度あるAIラボがデータにラベルを付ければ、他のラボもそのデータを使い回せること。さらに、コンピューター（アルゴリズム）がラベル付けを自動で行えるようになってきたことも大きい。

では、人間の仕事は消えてしまうのか？

そうではない。仕事は消えるのではなく、変化している。現在、企業が求めているのは、コーディングの知識や科学的な背景を持った人材だ。また、AIが多言語で動くようになったため、さまざまな言語でデータにラベルを付けられる人も必要とされている。

『エコノミスト』誌も、人間がAIの訓練に関わる新しい役割を担っていると述べている。サンプル文やコードなどの訓練素材を作成し、AIがラベル付けしたデータが正しいかどうかを確認している。

AIの成長にともなって、人間に必要とされる新しい種類の仕事は今後も生まれ続けるだろう。だが、それらの重要な仕事や、それを支える人々の存在は、あまり知られていない。こうした実態は、『Feeding the Machine: The Hidden Human Labour Powering AI』という本でも語られている。