ドルを中心に回る世界 Oh Dollar Almighty!

今回の記事は「ドルを中心に回る世界」という内容です。さていったいどのような内容なのでしょうか。

今回のポッドキャストです。お聴き下さい。

 本日のSentence

This could lead to new trade barriers like tariffs and sanctions in the near future as trade tensions grow.

これは近い将来、貿易の緊張が高まるにつれて、関税や制裁といった新たな貿易障壁につながる可能性がある。

 ボキャブラリー

 日本語訳

多くの国の通貨が米ドルに対して価値を失っている。この状況は、アメリカにとって他国の商品を買いやすくしている。一方、その他国にとってアメリカ製品をより高価なものにしている。アメリカにとっては、商品をより安く買い、製品をより高い値段で売ることができるため、良い取引条件のように聞こえるかもしれない。しかし、現実はもっと複雑だ。

ドルに対して通貨の価値がどのように下落しているかを探ってみよう。『ニューヨーク・タイムズ』紙によると、モニターされた150の世界通貨のうち、3分の2がドルに対して弱くなっている。日本円は過去34年間で最低だ。ユーロとカナダドルも苦戦している。中国元も弱く、中国の悩みの種になっている。

外国為替取引の90％はドルが絡んでいるため、このような通貨価値の下落は国際貿易に大きな影響を与える。米国に販売する企業は、ドル建てでは収入が少ない。しかし、ドル高を強みに、米国がより多くのものを買うため、（米国に販売する企業は）より多くのものを売ることができる。しかし、海外に販売する米国企業は困難に直面する。他国の買い手にとっては商品が割高になるからだ。このような状況は、米国の貿易赤字を拡大させる。

ドル高は、他国の通貨安による物価上昇を引き起こす可能性がある。アジアでは、各国がこうした課題に対応している。例えば、インドネシアは通貨安定のために金利を引き上げた。フィリピンとタイは利下げを延期した。韓国は自国の通貨価値を懸念しており、日本円も下落している。

「グリーンバック」とも呼ばれるドルの急激な値上がりを抑えられるかどうか、誰もが頭を悩ませている。

ひとつの解決策は、各国が外貨準備の一部を使ってドル高を抑えようとすることだ。この方法は2022年に試され、一時的に効果があった。『エコノミスト』誌の提案は、各国が協力してドルの上昇を抑える政策をとることだ。

こうした努力にもかかわらず、ドルは依然として強い。これは近い将来、貿易の緊張が高まるにつれて、関税や制裁といった新たな貿易障壁につながる可能性がある。