英語力と世界のトレンドを同時にキャッチ!!

  マットBlog

2021年 米大統領交代にあたって

2021年1月21日(日本時間未明)にバイデン新大統領が46代アメリカ大統領に就任した。 トランプ前大統領と彼の支持者は見るものにとっては、常軌を逸しているように映ったことは事実だ。 しかし、クリントン、ブッシュ、オバマと彼らの政権下でも様々な問題はあったもののトランプ政権に比べると穏やかであったと言わざるを得ない。

その穏やかなアメリカの水面下で確実に拡大していったのが富の二極化でまるでゴムひもを力いっぱい引っ張るように強いエネルギーを生み出してしまった。 トランプ大統領の就任の裏には二極化でたまっていた反発のエネルギーがマグマのように噴き出してしまい、彼はそれをうまく利用することが出来た。 つまりトランプ大統領は、彼らの代弁者となったわけだ。

しかしトランプ大統領の政治的手法はあまりにも直線的で、ある意味で稚拙きわまりなく、それに追い打ちをかけるようにパンデミックがアメリカ全体を飲み込んでしまった。 感染拡大が更に二極化を悪化させたともいえる。 これまでは、およそ20年から30年周期で新世代が既存の体制にとって代わるというシナリオが一般的だった。これはまさに子供が親の考えに反発し親とはほぼ真逆のことを始める期間(20年)と同じこと。 この期間が今では4年から5年になってしまったと言えるのかもしれない。コンドラチェフの波が50年であったことを考えると周期は圧倒的に短くなってきている。

さてバイデン新大統領である。 昨夜の就任演説で彼が繰り返したのはAll America, Uniteという分断から統一への願いを込めた言葉だった。 トランプ前大統領とは、真逆に位置するバイデン大統領。 かつてオバマ大統領が登場したときにアメリカ国民はもとより世界が彼のChangeのスローガンに酔いしれたことを思い出す。 これで世界が変わるかもしれない。 しかし、共和党の力が大きかったこともあるが彼はChangeは成し遂げたが、現実世界を変えるまでには至らなかった。

バイデン大統領にもトランプ政権がとった政策を修復しあるべき民主主義にアメリカを戻してくれるだろう、そんな期待が高まっている。 果たしてそれが現実となるのか?  そうなって欲しいと切に願う。 しかし同時にリーダーが誰になっても世界は変わらないのではないかとも考えたりする。

もはや構造上の問題で、リーダーの資質が問われることはなくなってしまった。 つまりこれは構造改革の予兆なのか? 新しい資本主義、民主主義が台頭してくるのか? バイデン政権は双六の駒を4年前に戻すだけに終わって欲しくはない。 76歳の紳士に期待をしたい。そして同時にエールを贈りたい。