マットBlog
中国ビジネス 異文化コミュニケーション
2011年11月9日
本日は、異業種交流会に参加。 講師には李さんという日中の異文化ギャップを埋めるコンサルティング、研修をされている方を迎えました。李さんは中国の官僚、日本の大手企業からも研修依頼が多く人事担当者の中では有名な方だそうです。
冒頭、現在の日本企業の経営者レベルの中国ビジネスの課題について「人材の現地化」という話がありました。 単に日本企業が現地スタッフを登用するというレベルの話ではなく、根底にある文化的なギャップを埋めることが大変なようだ。 例えば、会社がある目標を設定したなら中国人はその目標を達成するために努力しますが、日本企業はそれだけでは満足せず、目標に至るまで日本的ルールに則った方法を摂らなければならない・・・。これが中国人にとっては理解ができないらしい。
ここから異文化のギャップを理解するために講師は数枚の漫画を紹介しながら説明がありました。その漫画は中国の某大学教授からメールで送られたもので、特に中国の知識層が見ると深く頷くようなものばかりだとのこと。
漫画は入手できませんが、キャプションを和訳したものは以下のようなものです。
①人生って楽しさを尺度として測ると、かなり短いものだ
②天国へ行く距離といえば高鉄の切符の長さなのだ
③夜更かしをすること: この1日を終える勇気がないからだ。 寝坊すること:この1日を始める勇気がないからだ。
④理想とはパンツのようなもので、あった方がよいが人に会うたびにそれを見せて、その存在を証明する必要はない。
⑤鎧に身を包んだ戦士の漫画につけられたコメントは・・・・「俺は生まれてから生きて戻るつもりはない」
こうした風刺漫画を見て、日本人参加者からは「中国人はあきらめムード、自棄(やけ)になっているのでは」という意見がでました。しかし、中国人の参加者から出た発言には驚きました。 「人生は短いからこそ、楽しまなければ!」「人は生まれて、後は死ぬだけ(生きて戻ることは不可能)なのだから、思い切り楽しんで生きるべきだ」このような楽観主義が中国人にはあるのです、という考え方を披瀝してくれました。
中国人の根底に流れているのは「楽」という漢字一字。 楽は「快楽」という意味と、もう一方で「易き方法、らくちん」の二つの意味があると言います。 車到山前必有路 という漢詩を紹介しながら、「中国人は皆、馬車が山にさしかかったらそこに自ずと路ができる」といった本当に楽観主義者なのだそうです。それなのに日本企業は、プロジェクトが始まる前から悲観的な話ばかりが出て、中国人は何とかなるのにと皆思うと。
この楽観主義の裏には、もう一つ中国人は不確定、不確実を楽しむ文化があるとも言っていました。その一例として中国でも海外旅行がブームなので地球の歩き方のようなガイドブックを売れています。しかし、我々日本人ですとこのガイドブックは旅行の前に読みますが、中国人はむしろ帰りの飛行機の中で見るというのだ。 これには驚きました。先に読んでしまったら楽しみが半減してしまうではないか、というのが彼らの考え方だと言います。
ここから、勉強会は質疑応答になったりしましたが、大変に有意義なお話を聞くことができました。