ボット・ザ・ビルダー Bot the Builder

今回の記事は「ボット・ザ・ビルダー」という内容です。さていったいどのような内容なのでしょうか。

今回のポッドキャストです。お聴き下さい。

 本日のSentence

The New York Times ran a feature on ICON's founding story and the future of robotic construction.

今年初めには、『ニューヨーク・タイムズ』もICONの創業ストーリーやロボット建設の未来について特集記事を出しています。

 ボキャブラリー

 日本語訳

イギリスのアニメ『ボブとはたらくブーブーズ』を覚えている人も多いことでしょう。機械の助けを借りて、なんでも直してしまう便利屋の物語です。ところが今、新しいタイプの「ビルダー（建設者）」が登場しています。今度はアニメではなく、現実世界の話です。大きな3Dプリンターを使って家を24時間で作り上げる最新のロボットたちです。この技術は建設業界を大きく変えつつあるだけでなく、深刻化する住宅問題の解決にも役立つ可能性があります。

ロボットによる3Dプリント住宅という発想自体は、何年も前から存在していました。2020年には、『ワシントン・ポスト』が、テキサス州オースティンにあるICONという会社が、社会的に弱い立場にある人々のために3Dプリント住宅を開発した事例を報じています。この取り組みは、建設にかかる時間とコストを大幅に削減できることを示しました。今年初めには、『ニューヨーク・タイムズ』もICONの創業ストーリーやロボット建設の未来について特集記事を出しています。

現在、こうしたロボットは世界各地の住宅建設現場で活躍しています。例えばオーストラリアでは、6本脚でクモのような形をした建設ロボット「シャーロット」が、約2000平方フィートの住宅をおよそ1日で3Dプリントします。まだ試作段階ですが、建設の未来を感じさせる存在です。また、Contec Australiaという会社は、同国タッピングで2階建て住宅を完成させ、従来工法に比べて22％のコスト削減を実現しました。家全体の完成には5か月かかりましたが、壁の3Dプリント自体は実質18時間で終わっています。

同じような取り組みは、アメリカ、ヨーロッパ、アジアでも進んでいます。米フロリダ州イースト・タンパでは、一戸建て住宅18棟を建設するプロジェクトが進行中で、そのうち4棟では外壁に3Dプリント技術が活用されています。目的は、手頃な価格の住宅を提供し、工期を短縮し、コストを削減することです。

こうした変化により、未来の建設現場は、今のような大きな声や騒音、タバコ休憩とは無縁の静かな場所になるのかもしれません。人間が不要になるわけではなく、建築家は3Dモデルの設計を詰め、現場のチームは仕上げや設備、品質管理に集中することになるでしょう。

さらに、人類がいつか月に住むという話題もありますが、シャーロットのようなロボットは、その月面基地建設でも大きな力を発揮するでしょう。恒久的な月面基地を建設するための過酷な作業を、自動化し、負担を軽減できるからです。

ともかく、地球に目を戻せば、私たちが親しみを込めてロボットのビルダーに「明日までに家をプリントしてくれる？」と尋ねる日も、そう遠くないのかもしれません。