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  1日5分ビジネス英語

996, 888, 955:生産性は単なる数字か? 996, 888, 955: Is Productivity Just a Number?

今回の記事は「996, 888, 955:生産性は単なる数字か?」という内容です。さていったいどのような内容なのでしょうか。

今回のポッドキャストです。お聴き下さい。

 本日のSentence

But the story didn’t end there. In the 2010s, a new system called “996” — 9 a.m. to 9 p.m., six days a week — became popular in China’s tech companies.

しかし、その流れは止まらなかった。2010年代、中国のテック企業で「996」——午前9時から午後9時まで、週6日勤務——という新しい働き方が広まったのだ。

 ボキャブラリー

Productivitynounモノを生産したり、結果を出したりする効率で、多くの場合、単位投入量または単位時間当たりの生産高で測定される
Protestverb何かに対して、しばしば公の場で強い反対や不賛成を表明する
Harmfuladj損害、怪我、悪影響を及ぼす
Negativelyadv有害または望ましくない方法で;悪影響を及ぼす
Burn outphrasal verb長時間のストレスや過労により、肉体的または精神的に疲労する

 日本語訳

HBOドラマ『ギルデッド・エイジ』の中で、工場労働者たちは「8・8・8!8・8・8!」と声を上げる。「8時間労働、8時間休息、8時間余暇」を求めるスローガンだ。1880年代の労働運動で生まれたこの「888ルール」は、仕事・休息・余暇のバランスを目指すもので、今でも大切な考え方だ。時代とともに働き方は変化し、やがて「955」——午前9時から午後5時まで、週5日の勤務——が標準的な40時間労働制として定着した。

しかし、その流れは止まらなかった。2010年代、中国のテック企業で「996」——午前9時から午後9時まで、週6日勤務——という新しい働き方が広まったのだ。多くの経営者がこれを称賛したが、やがて労働者たちは「996.ICU」運動を通じて抗議した。過労によって「病院(ICU)行き」になる危険を訴えたのだ。中国の最高人民法院は2021年に996を違法としたものの、今も続ける企業は存在する。

では、なぜこの問題が今も重要なのか?

『ワシントン・ポスト』によると、996文化はシリコンバレーやヨーロッパにも広がっている。アメリカの一部AIスタートアップでは、社員に週70〜80時間の勤務を求め、996を実施する企業もあるという。イギリスでは週48時間労働が法律で上限とされているが、契約でそれ以上働くことも可能だ。インドでは、インフォシス創業者ナラヤナ・ムルティ氏が「週70時間働くべき」と発言し、賛同する経営者も少なくない。

一方で、『ブルームバーグ』は長時間労働の危険性を警告している。働きすぎは新しいアイデアを生むどころか、好奇心と創造性を奪う。研究によると、生産性は40〜45時間を超えると低下し、60時間を超えるとマイナスになるという。逆に、短時間労働は成果を高める。日本マイクロソフトの「週4日勤務」実験では生産性が40%向上し、イギリスでも61社が同様の結果を報告している。

結論として、996のような働き方は健康にも生産性にも悪影響を及ぼす。真の成果は、仕事と生活のバランスの中にこそある。問題はただ一つ——AI開発競争が激化する中で、世界はこの「996文化」を止められるだろうか?

 参考動画

The Gilded Age

【テーマ】996, 888, 955: Is Productivity Just a Number? / 996, 888, 955:生産性は単なる数字か?

Hikaruさん

ソフト開発の新入社員時代、会社は24時間出入り自由で、一席ごとに照明の消灯ができるヒモがついていました。残業が120時間を超える月が数ヶ月続くのは当たり前で、最もブラックな時代だったと思います。感想としては、過酷な環境でも働けるという忍耐力の強化にはなりましたが、アメリカの研究結果の通り、創造性は上がらないと思います。

今の職場でもシリコンバレー企業でのブラック労働の話は出ていました。半導体関連でも三交代制の企業もあるとか…。スタートアップ企業の888はやむを得ないものの、AI競争で時間が資本になって「より速く」のために長時間労働が課せられる。技術力を持つ人材ほど、ハイリスクハイリターンの世界を覚悟しなくてはならなくなっている。日本でも昔は、金融機関がそんな時代でしたね。

人間はAIではないので、ブラック労働は思ったようには進まないのでは…と思ってしまいます。

おかえりさん

新しく加わったAIさんは、notebookLMの2人の会話を組み合わせられたのかなぁと思いました^^あの機能notebookLMの本筋ではないけど、すごいですよね。

おかえりさん

皆さんの意見が面白くふむふむと。
個人的に社会で副業が注目されている点では、一種「仕事が面白い」という軸はトレンドとしてあるかと思います。
何名かの方がおっしゃる通りAIで広がる仕事(ユーミン然り)もあれば、AIで苦手なことをおまかせということもありますし、そういうことで人間が人間らしく面白い仕事がわかってることが改めて次世代の仕事なのでは、と。
ダイバーシティが言われている中で、制度というより、人よりライフの中で自分に合った、自分のやりたい仕事やスタイルが選べることが大事なのかなと思いました。

Jtさん

I believe that your best working style will follow these principles:

Short and focused working hours—for example, a four-day workweek, six to seven hours per day, and a core-time system that supports concentration.

Collaboration with AI to optimize knowledge work, such as clearly defining the responsibilities assigned to AI, allowing humans to focus on decision-making, and making the level of AI automation in each task visible.

A results-based evaluation system that emphasizes outcomes, process quality, and impact rather than working hours.

A structure that supports diverse working styles, including child-rearing, caregiving, and individual differences such as morning and evening chronotypes.

Recognizing health and rest as essential to performance, including ensuring adequate sleep, providing time for leisure and learning, and maintaining psychological safety.

In conclusion, I believe that the ideal way of working is not defined by hours but is grounded in human well-being. (日本語訳:理想的な働き方にはいくつかの原則があると思います。例えば、週4日・1日6〜7時間程度の短く集中した労働時間と、集中を支えるコアタイム制。AIに任せる領域を明確にし、人は意思決定に集中し、タスクごとのAI自動化の度合いを見える化するなど、AIとの協働によるナレッジワークの最適化。時間ではなく成果・プロセスの質・インパクトを重視する成果主義の評価。子育てや介護、朝型・夜型といった個人差を支える多様な働き方の仕組み。そして十分な睡眠や余暇・学びの時間、心理的安全性を確保し、健康と休息をパフォーマンスの前提として認めることです。結論として、理想の働き方は労働時間ではなく、人間のウェルビーイングを土台にすべきだと考えます。)

ともさんさんさん

cooさんコメントに近い考えです。
「楽しく仕事をすることで仕事を楽しくする」

「もっと速く、もっと効率的に、もっと効果的に」みたく取り組むことで楽しさを見出していく。仕事だけに留まることではなく生活のほでも取り組んでくと、ワークとライフの境界線が溶けるので、タイトルにあるような数字の意味が希薄化してくと感じています。

産業によって制約や制限あるでしょうが、「仕事と遊びと学び」の境界ない状態で日々「楽しく」、が理想です。

Akさん

When we talk about work-life balance, we almost unconsciously refer to white-collar work.
For jobs outside the office, in agriculture, production, hospitality, and transportation, the idea that “woking fewer hours leads to better productivity” simply does not apply. These depend on weather, physical labour, experiences, and so on. It’s not easy to compress time, nor does compressing time lead to quality.

Ironically, the number of jobs we can discuss that involve work-life balance will decrease as AI development advances. (日本語訳:ワークライフバランスというと、私たちは無意識のうちにホワイトカラーの仕事を思い浮かべてしまいます。農業、生産業、接客業、運輸などオフィス外の仕事では、「労働時間を減らせば生産性が上がる」という発想は当てはまりません。天候や肉体労働、経験などに左右され、時間を圧縮するのも難しく、時間を削れば質が上がるわけでもありません。皮肉なことに、AIが発展するほど、ワークライフバランスを語れる仕事の数はむしろ減っていくのではないかと思います。)

ごっチャンさん

「過眠」は「仮眠」のタイポです。大変失礼いたしました。

nobotaさん

To list everything in detail would be endless, so I would like to exchange views on another opportunity. Ultimately, I believe this approach to working also requires diversity. While there is likely a standard level broadly acceptable to the majority, the goal should be to create an environment where individuals can work in ways suited to their physical capacity, innate abilities, and personality. In other words, maximising labour productivity is considered the best goal. (日本語訳:細かく挙げていくとキリがないので、続きはまた別の機会に議論できればと思いますが、究極的には働き方にも多様性が必要だと考えています。多くの人にとって「これくらいなら受け入れられる」という標準的な水準はありつつも、一人ひとりの体力や生まれ持った能力、性格に合った働き方ができる環境をつくることが目標であるべきだと思います。言い換えれば、労働生産性を最大化できる状態を目指すのが一番良いということです。)

deborahさん

Today`s article prompted me to reconsider what work-life balance really means.
Even when people are forced to work long hours or subjected to strict working-time regulations, I anticipate productivity will decline unless there is a moderate level of pressure, such as tasks with clear deadlines. In fact, there are cases where employees are paid simply for being present at the workplace, regardless of whether they are actually working. Even if they spend that time messaging friends or playing games on their phones, they still receive their wages. This demonstrates that Japanese companies are low-productivity compared to those in other countries. – I wonder if setting a sales target instead of fixed working hours would give us more freedom. Or am I being too idealistic? Some say AI would not reduce humans’ tasks but increase.- That makes sense in a way. Some people struggle with how to use AI effectively. When they’re unsure about what kind of instructions to give or where to input them, it can actually take more time than doing the task manually. (日本語訳:今日の記事を読んで、ワークライフバランスとは本当は何を意味するのか、改めて考えさせられました。長時間労働を強いられていても、あるいは厳しい労働時間規制のもとにあっても、適度なプレッシャー――例えば明確な締め切りのある仕事――がなければ、生産性は下がってしまうのではないかと思います。実際、仕事をしているかどうかに関係なく、とにかく職場にいるだけで給料が支払われているケースもあります。友人にメッセージを送ったり、スマホゲームをしながら時間を過ごしていても賃金は発生するのです。これは、日本企業が他国と比べて低生産性であることを示しているように感じます。固定の労働時間ではなく売上目標を設定したほうが、もっと自由度が増すのではないか、とも考えますが、理想論に過ぎるでしょうか。AIは人間の仕事を減らすどころか増やす、という意見もありますが、ある意味もっともです。AIをどう使えばいいのか、どんな指示を出し、どこに入力すればよいのか分からない人も多く、その結果、手作業でやるより時間がかかってしまうこともあります。)

雨のち晴れさん

昔は21時から営業会議、なんてことも普通にありましたが、今は比較的早く帰れるようになりましたね。立場が上がるにつれて、「判断すること・責任をとること」が仕事になり、何時から何時まで会社にいるかどうかは関係なくなったのもありますが(笑)

人間が何かを習得するにはある程度の時間と反復が必要になるので(10000時間の法則とも言いますかね)、ある時期に何かに集中して取り組むことは有益だと思います。問題はそれを「自分の意思でやること」なのではないか、と思います。自分のやりたいことなら寝る間を惜しんでもやれますし、寝不足になったからと言って病気になることもありません。(いわゆるゾーンに入っている、という感覚でしょうか)

労働ルールが888や995のように数字で縛られること自体が、誰かに強制される世界観のような気がします。(とはいえ、ルールは必要なのでしょうが)
セカンドキャリアが目前となったこの歳だから言えるのかも知れませんが、時間に縛られず、自分の価値観にあった仕事を自分の好きなようにやれたらいいな、と思いました。

Salsoulさん

I believe that a certain amount of pressure and stress is necessary as a challenge to stretch oneself during the process of growth.
I think that the most important thing is to become “well-being” that is based on scientific evidence, rather than relying on spiritualistic quate.
By setting priorities, resting both mind and body, and increasing self-esteem, I will improve my productivities. (日本語訳:成長のプロセスでは、自分を伸ばすチャレンジとして、ある程度のプレッシャーやストレスが必要だと考えています。そして、スピリチュアルな根性論に頼るのではなく、科学的根拠に基づいた「ウェルビーイング」な状態になることこそが最も重要だと思います。優先順位をつけ、心身をしっかり休め、自尊感情を高めることで、自分の生産性を高めていきたいと思います。)

2024年09月06日
Do You Have ‘Productivity Anxiety’? / 「生産性不安」:「常に生産的であるべき」というプレッシャー

Do You Have ‘Productivity Anxiety’? / 「生産性不安」:「常に生産的であるべき」というプレッシャー

M-san

またまた雑感ですが
戦前の日本海軍軍歌に「月月火水木金金」というものがありましたね。またバブルの頃?「24時間働けますか?」というキャッチフレーズもありました。高市首相の労働時間規制の緩和検討(残業の上限を緩和)や自らの発言「ワークライフバランスという言葉を捨て、働いて働いて働いて働いて働いて参ります」をみているとやや危険かなとも感じます。「過労死」に相当する英語はないと聞いたことがあります。

日本人は「仕事」≒「修養」の価値観が強く、「結果」より「プロセス」を重んじる(かけた時間・努力)ことが長時間労働に繋がっているとではと思います(若い人たちは違うとは思いますが)。とは言え、好きな仕事に没頭する時期も経験する必要があると思います。勿論、身体的・精神的な健全さを損なわない上ではありますが。筋トレの様に時にはそれなりの負荷かけることも必要だと思います。

話は変わりますが、人類は採集・狩猟時代の方が定住・農耕時代より、余暇時間が長かったとの話を聞いたことがあります。時代が進めば楽になるというわけではないのですね。

西木山さん

久しぶりの投稿です
皆様の素晴らしいコメントを読んでまた書ける時に書こうと決めました

I’ve predicted that a new era of true individualism is coming. (日本語訳:真の個人主義の時代が到来すると予測しました。)
真の個人主義時代が来ると予測しました。

労働市場としてルール設定が大事な事はもちろんですが、このまま資本主義経済が続くのであれば労働時間一つとっても各個人ごとの契約となり(契約が煩雑になるため現行はやっていないがAIが得意な分野で人の手を介さずできると仮定します)、義務と権利のバランスを個人で選ぶという時代が来ると予測しました。
どちらかというと欧米化していく論調ですが、そうなると日本式の連帯感を大事にしていく企業が組織としての生産性の指標を見直して新しいものさしで世界と戦っていく時代が来てほしいとも感じました。

文面にある通り生産性は単なる数字といえばそれまでですが、今一度計算方法を現在の
労働生産性 = 産出量(アウトプット) ÷ 労働投入量(人数 or 時間)
から
アウトプット部分に顧客の満足度(ロイヤリティ等)を入れ込めると違う見え方がしてくると予測しました。

ごっチャン

今回の記事と、2021年のサイバーセキュリティの専門家の需要急増、今年7月のオンライン化ならではの業務環境の課題(Microsoft自体が調査して警鐘)、6月のAI時代での想像力の重要性、2024年の勤務時間の過眠(パワーナップ)の効用のトピックスから、
「長時間労働の解消に法規制の存在感が高まる」事を予想しました。

今回の長時間労働と生産性や独創性(現代の事業の差別化では重要)の関係について、IT企業の創業家も理屈としてはわかっているものと思います。

それでも従業員に長時間労働を強いるのは、AIやロボットでは代替できない作業ほど、労働集約化を進めないと競争に負けるとの危機感が背景にあるのではと想像しています。

この課題を解決するには、新型コロナの時に結果としてハイブリッドワークが広がつた様に、法規制による対応が必要なのではないかと感じた次第です。

参考トピックス〉

『Cybersecurity professionals are in great demand / サイバーセキュリティ専門家、大きな需要
2021-06-11』
https://member.future-signal.com/news/cybersecurity_professionals_are_in_great_demand

『The “Infinite Workday” Is Here / 「メリハリのない労働」時代
2025-07-10』
https://member.future-signal.com/news/the_infinite_workday_is_here

『Just Imagine! / まずは想像するところから!
2025-06-20』
https://member.future-signal.com/news/just_imagine

『Biz or Zzz’s: Choosing to Snooze Over Business / ビズかZzz’sか:ビジネスより居眠りの選択
2024-09-11』

Biz or Zzz’s: Choosing to Snooze Over Business / ビズかZzz’sか:ビジネスより居眠りの選択

デバイスとプリンターさん

かつては885.5をしていましたが、その仕事は作業時間に比例して成果が出るものだったため(多少効率は落ちるかもしれないですが)、必ずしも長時間が非効率とはなりませんでした。その体力もありましたし。
いまは小さいこどもが複数いるため、955とほぼ同じです。たまには残業する日もあるのですが、正直なところでは家事やこどもの世話をするより残業しているほうが楽です。

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