世界はトランプの関税を「飲み込んだ」か? Has the World “Swallowed” Trump’s Tariffs?
今回の記事は「世界はトランプの関税を「飲み込んだ」か?」という内容です。さていったいどのような内容なのでしょうか。
今回のポッドキャストです。お聴き下さい。
本日のSentence
Another reason is that Trump’s threats sounded tougher than what actually happened.
もう一つの理由は、トランプ大統領の「脅し」が実際の政策よりも過激に聞こえたことです
ボキャブラリー
| Retaliate | verb | 攻撃や不利な行為に対して報復する、仕返しをする |
|---|---|---|
| Optimistic | adj | 将来に対して楽観的で前向きな |
| Outlook | noun | 将来に対する個人または組織の見解または期待 |
| Tougher | adv | より厳しく、強硬に |
| Depend on | phrasal verb | 誰かまたは何かに依存する、頼る |
日本語訳
4月5日、ドナルド・トランプ大統領は「国家非常事態」を宣言し、すべての国に「報復関税」を課すと発表しました。いわゆる「解放の日」です。多くの専門家は、これによりサプライチェーンの混乱、貿易の縮小、物価上昇、そして世界経済の減速といった深刻な影響が生じると警告していました。しかし半年が経った今、その影響は予想ほど深刻ではなく、世界経済は驚くほど強靭に持ちこたえ、前進を続けています。
もちろん、一部では減速の兆しもあり、今後さらに悪化するリスクも残っています。ブルームバーグは、「トランプ政権はここまで多くの”食器を割った”のだから、何の影響もないとは言い切れない。」、と述べています。米中間の貿易摩擦がなければ、状況はさらに良かったかもしれません。
それでも、見方によって印象は変わります。(言うなれば、コップの水を「半分しかない」と見るか、「半分満たされているか」と見るか、ということです。)米中両国との貿易に大きく依存している国々でさえ、比較的楽観的です。オーストラリア準備銀行のミシェル・ブロック総裁は「我々はかなり良い位置にいる」と語りました。OECDやIMFも世界の成長率予測を3.2%に上方修正し、予想以上に明るい見通しを示しています。
今回の関税ショックを世界が比較的うまく乗り越えられた理由のひとつは、現代の経済が1930年代よりもはるかに強固であることです。当時、スムート・ホーリー法という関税政策が大恐慌を悪化させました。各国がすぐに報復関税を行い、貿易が滞ったのです。しかし今回は、各国がより慎重に対応し、米市場へのアクセスを維持するために一定のコスト上昇を受け入れました。企業も十分な時間をかけて供給網を調整しました。
もう一つの理由は、トランプ大統領の「脅し」が実際の政策よりも過激に聞こえたことです。当初、中国などに高い関税を導入することを発表しましたが、その後一部を引き下げました。電子機器やスマートフォンなど、多くの製品には関税が課されず、医薬品に対する100%関税でも、米国で販売される大半を占めるジェネリック薬は対象外でした。
さらに、他国は影響を和らげるために新たな貿易関係を築いています。たとえば、中国とASEAN、カナダとメキシコ、EUとアジア諸国の連携です。
総じて、世界経済はトランプ政権の関税政策を驚くほどの強さで「飲み込んだ」と言えます。ただし、先行きは依然として不透明です。女優ベティ・デイヴィスの名言を借りれば、「シートベルトを締めて。今夜は揺れる夜になりそうよ」。
【テーマ】Has the World “Swallowed” Trump’s Tariffs? / 世界はトランプの関税を「飲み込んだ」か?
Jtさん
Second, companies were able to buy time because modern supply chains are highly adaptable.
Third, Trump’s policy announcements were not strictly enforced.
Finally, risks were distributed through alternative trade relationships, such as those between China and ASEAN or between the EU and Asia.
(日本語訳:第一に、多くの国がトランプ氏の関税に対して報復合戦に踏み込むことを避けました。第二に、現代のサプライチェーンは非常に柔軟であるため、企業は対応のための時間を稼ぐことができました。第三に、トランプ氏の政策発表は必ずしも厳格には実行されませんでした。第四に、中国とASEAN、EUとアジアといった代替的な貿易関係を通じてリスクが分散されました。)
Akさん
人類はそこまで愚かではない――そうした希望の光を今回少し感じました。
nobotaさん
orangeさん
米国が今後も交渉カードを使うには、米国がいろいろ飲み込んでも余りある米国市場の魅力を維持できるのかが課題となりそうですね。
雨のち晴れさん
高市総理ならそれが出来るのではないか、と期待しています。
Cooさん
アメリカの補正予算漸く通りましたが43日機能不全で見えてないだけかも?
身近なところでは関税から貿易戦争になって半導体のネクスペリア影響がいよいよ顕在化しそうでもあります。
良い話ではないので、上手く切り抜けたいと思います。
ごっチャン
「関税の様な国内市場への参入を規制する施策は、むしろ輸入価格の高騰や代替品により、国内産業への悪影響を与えるケースが増える」事を予想しました。
『Tariffs Explained: What You Need to Know / 関税とは:知っておくべきこと
2025-08-07』
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『Global Supply Chains 2.0: Smarter, Safer, Sustainable / グローバル・サプライチェーン 2.0:よりスマート、より安全、より持続可能
2025-01-20』
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『Scientific side of food: The Bunge story / 科学からみた「食」について:Bunge社のお話
2023-04-19』
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M-san
吹っ掛けで交渉をスタートし、落としどころを探っていく。まるで、東南アジアのナイトマーケットでの値切り交渉のような(やや不謹慎ですね)。
“To me, the most beautiful word in the dictionary is tariffs. It’s my favorite word.”(日本語訳:「私にとって辞書の中で最も美しい言葉は『関税』だ。それが一番好きな言葉なんだ。」)を言ってのけるトランプ大統領ですが、世界の趨勢として、彼が引退してもジオエコノミクス重視の戦略は続きそうですね。
0.8倍速さん
Hikaruさん
【その他のテーマ】Can AI run the economy too? / AIは経済も運営可能か
Salsoulさん
Can AI run the economy too? / AIは経済も運営可能か (日本語訳:Can AI run the economy too? = 「AIは経済も運営できるのか?」)
Can AI run the economy too? / AIは経済も運営可能か
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ともさんさん
2026/11の中間選挙にむけた米国内の動向がきになるところです。
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