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  1日5分ビジネス英語

世界はトランプの関税を「飲み込んだ」か? Has the World “Swallowed” Trump’s Tariffs?

今回の記事は「世界はトランプの関税を「飲み込んだ」か?」という内容です。さていったいどのような内容なのでしょうか。

今回のポッドキャストです。お聴き下さい。

 本日のSentence

Another reason is that Trump’s threats sounded tougher than what actually happened.

もう一つの理由は、トランプ大統領の「脅し」が実際の政策よりも過激に聞こえたことです

 ボキャブラリー

Retaliateverb攻撃や不利な行為に対して報復する、仕返しをする
Optimisticadj将来に対して楽観的で前向きな
Outlooknoun将来に対する個人または組織の見解または期待
Tougheradvより厳しく、強硬に
Depend onphrasal verb誰かまたは何かに依存する、頼る

 日本語訳

4月5日、ドナルド・トランプ大統領は「国家非常事態」を宣言し、すべての国に「報復関税」を課すと発表しました。いわゆる「解放の日」です。多くの専門家は、これによりサプライチェーンの混乱、貿易の縮小、物価上昇、そして世界経済の減速といった深刻な影響が生じると警告していました。しかし半年が経った今、その影響は予想ほど深刻ではなく、世界経済は驚くほど強靭に持ちこたえ、前進を続けています。

もちろん、一部では減速の兆しもあり、今後さらに悪化するリスクも残っています。ブルームバーグは、「トランプ政権はここまで多くの”食器を割った”のだから、何の影響もないとは言い切れない。」、と述べています。米中間の貿易摩擦がなければ、状況はさらに良かったかもしれません。

それでも、見方によって印象は変わります。(言うなれば、コップの水を「半分しかない」と見るか、「半分満たされているか」と見るか、ということです。)米中両国との貿易に大きく依存している国々でさえ、比較的楽観的です。オーストラリア準備銀行のミシェル・ブロック総裁は「我々はかなり良い位置にいる」と語りました。OECDやIMFも世界の成長率予測を3.2%に上方修正し、予想以上に明るい見通しを示しています。

今回の関税ショックを世界が比較的うまく乗り越えられた理由のひとつは、現代の経済が1930年代よりもはるかに強固であることです。当時、スムート・ホーリー法という関税政策が大恐慌を悪化させました。各国がすぐに報復関税を行い、貿易が滞ったのです。しかし今回は、各国がより慎重に対応し、米市場へのアクセスを維持するために一定のコスト上昇を受け入れました。企業も十分な時間をかけて供給網を調整しました。

もう一つの理由は、トランプ大統領の「脅し」が実際の政策よりも過激に聞こえたことです。当初、中国などに高い関税を導入することを発表しましたが、その後一部を引き下げました。電子機器やスマートフォンなど、多くの製品には関税が課されず、医薬品に対する100%関税でも、米国で販売される大半を占めるジェネリック薬は対象外でした。

さらに、他国は影響を和らげるために新たな貿易関係を築いています。たとえば、中国とASEAN、カナダとメキシコ、EUとアジア諸国の連携です。

総じて、世界経済はトランプ政権の関税政策を驚くほどの強さで「飲み込んだ」と言えます。ただし、先行きは依然として不透明です。女優ベティ・デイヴィスの名言を借りれば、「シートベルトを締めて。今夜は揺れる夜になりそうよ」。

コメント整理:Has the World “Swallowed” Trump’s Tariffs?

【テーマ】Has the World “Swallowed” Trump’s Tariffs? / 世界はトランプの関税を「飲み込んだ」か?

ともさんさん

各国の慎重な対応あって悪手にならなかったと感じています。
この先の発展につながる新たな貿易関係の構築も実現されてますし。
2026/11の中間選挙にむけた米国内の動向がきになるところです。
● 【解説】 米民主党が盛り返し
https://www.bbc.com/japanese/articles/czr10ljx66no.amp

Jtさん

I considered why the world economy was able to absorb Trump’s tariff shocks and what the main contributing factors were. I believe these four reasons were the major factors that eased the impact of Trump’s tariffs. (日本語訳:世界経済がトランプ氏の関税ショックをなぜ吸収できたのか、そしてその主な要因は何だったのかを考えてみました。これら四つの理由が、トランプ氏の関税の影響を和らげた主要な要因だったと私は考えています。)
First, many countries avoided engaging in a retaliation battle over Trump’s tariffs.
Second, companies were able to buy time because modern supply chains are highly adaptable.
Third, Trump’s policy announcements were not strictly enforced.
Finally, risks were distributed through alternative trade relationships, such as those between China and ASEAN or between the EU and Asia.
(日本語訳:第一に、多くの国がトランプ氏の関税に対して報復合戦に踏み込むことを避けました。第二に、現代のサプライチェーンは非常に柔軟であるため、企業は対応のための時間を稼ぐことができました。第三に、トランプ氏の政策発表は必ずしも厳格には実行されませんでした。第四に、中国とASEAN、EUとアジアといった代替的な貿易関係を通じてリスクが分散されました。)

Akさん

IMFやOECDが世界経済を比較的楽観視しているのは、当初予想されていた「中国経済の崩壊」が発生せず、またアメリカ経済も予想以上に堅調で、世界全体が徐々に回復に向かっていると判断しているためでしょう。
一方で、私自身の実感としては、この夏以降、アングロサクソン諸国の経済はむしろ弱含んでいる印象があります。
ただ、そもそも経済というものは硬直的な仕組みではなく、有機的につながった複雑なシステムです。誰か一人が壊そうとしても、現代は1930年代とは異なり、各国が歴史から学んでおり、簡単に大恐慌のような状況には陥らない。
人類はそこまで愚かではない――そうした希望の光を今回少し感じました。

nobotaさん

Whether we’ve weathered or merely endured the storm of Trump’s tariffs remains unclear. Yet I believe it has undoubtedly brought diversity to the global economy. I maintain a cautious stance, anticipating that significant negative impacts may well come back like a boomerang. (日本語訳:私たちがトランプ氏の関税という嵐を本当に乗り越えたのか、それともただ耐え忍んだだけなのかは、まだはっきりしません。それでも、世界経済に多様性をもたらしたことは間違いないと私は考えています。とはいえ、その大きな悪影響がブーメランのように将来戻ってくる可能性もあると見ており、私は慎重な姿勢を保っています。)

orangeさん

アメリカ大統領の発言にも関わらず経済成長を続けるのは、世界がトランプ氏の交渉術に慣れてきたということなのでしょうね。強行関税政策には驚かされましたが、蓋を開けてみると高額関税として課されたというよりも成果は米国内に多額の投資を呼び込みましたね。これもあって末端の国民への価格高騰というツケはだいぶ回避されたことも経済成長に繋がったのではないかと思います。
米国が今後も交渉カードを使うには、米国がいろいろ飲み込んでも余りある米国市場の魅力を維持できるのかが課題となりそうですね。

雨のち晴れさん

コンサルタントの斎藤ジン氏は「トランプ氏は関税をレバレッジとして利用している」と指摘していますね。良い条件を引き出すための脅しであれば、まともに取り合うよりも冷静に対応した方が良いことは、人間関係でも同じですもんね(笑)
国同士の関係も人間関係も、信頼関係が重要であり、その信頼を一度でも裏切ることになれば、それは将来にわたって禍根を残ることになる。
トランプ氏の挑発に乗ることなく、アメリカとも他の国々とも信頼関係を維持する処世術が日本には求められますね。
高市総理ならそれが出来るのではないか、と期待しています。

Cooさん

本格手にはこれからの気もします。
アメリカの補正予算漸く通りましたが43日機能不全で見えてないだけかも?

身近なところでは関税から貿易戦争になって半導体のネクスペリア影響がいよいよ顕在化しそうでもあります。

良い話ではないので、上手く切り抜けたいと思います。

ごっチャン

 今回の記事と、今年8月の関税の影響(国内の企業も悪影響を受ける場合がある)、1月のサプライチェーンの高度化への取り組み、2023年のロシア・ウクライナ戦争による農産物の価格高騰を代替品開発のチャンスとしたアメリカの農業商社Bunge社のトピックスから、
 「関税の様な国内市場への参入を規制する施策は、むしろ輸入価格の高騰や代替品により、国内産業への悪影響を与えるケースが増える」事を予想しました。
 今回の記事も語っている様に、トランプ氏のやり方はブラフをかませて、交渉を有利に進めようとする意図があからさまに見えるため、データは確認していませんが、他国に私情を求めたロシアや、レアアースノーベル賞輸出規制の手段をもう中国などへの効果は思ったほどでなく、むしろ、友好国の経済的利益と米国への感情を悪化させているのではと感じています。
 今年のCOPで米国の不参加に批判が集まり、中国が影響力を拡大しようとしているのに似て、グローバル経済の現在、米国の関税政策は自国に有利に働かず、代替品の開発や輸入品の価格高騰などにより、自国の産業を弱体化させる傾向が強まるのだはないかと、あくまで感覚的ながら予想した次第です。
参考トピックス〉

『Tariffs Explained: What You Need to Know / 関税とは:知っておくべきこと
2025-08-07』
Tariffs Explained: What You Need to Know / 関税とは:知っておくべきこと


『Global Supply Chains 2.0: Smarter, Safer, Sustainable / グローバル・サプライチェーン 2.0:よりスマート、より安全、より持続可能
2025-01-20』
Global Supply Chains 2.0: Smarter, Safer, Sustainable / グローバル・サプライチェーン 2.0:よりスマート、より安全、より持続可能


『Scientific side of food: The Bunge story / 科学からみた「食」について:Bunge社のお話
2023-04-19』
Scientific side of food: The Bunge story / 科学からみた「食」について:Bunge社のお話

M-san

今回の内容は、関係各国がトランプ大統領の取引の癖およびTACO「Trump Always Chickens Out」を理解し対処したことも大きいのかもしれませんね。(日本語訳:TACO=「Trump Always Chickens Out(トランプはいつも土壇場で引き下がる)」の略です。)
吹っ掛けで交渉をスタートし、落としどころを探っていく。まるで、東南アジアのナイトマーケットでの値切り交渉のような(やや不謹慎ですね)。
とは言え、私の身近なところでは影響があります。トヨタ自動車は福岡県内で進める電気自動車(EV)向け電池工場の建設計画の再度延期を決定しました(今月)。一方、昨日のニュースでは、アメリカに今後5年間で100億ドルを投資するとプレスリリースしています。また熊本に建設中のTSMCの第2工場も同社のアリゾナ州への大規模投資計画に伴い、当初計画の2027年末の操業予定に間に合わない可能性もあるとのこと。
各企業ともにサプライチェーンの複線化・ジオエコノミクス(Geo-economics)戦略を取らざるを得ませんね。
“To me, the most beautiful word in the dictionary is tariffs. It’s my favorite word.”(日本語訳:「私にとって辞書の中で最も美しい言葉は『関税』だ。それが一番好きな言葉なんだ。」)を言ってのけるトランプ大統領ですが、世界の趨勢として、彼が引退してもジオエコノミクス重視の戦略は続きそうですね。

0.8倍速さん

トランプ政権が2期目だったことから、世界がトランプ大統領の人となりを理解していた事、過去の大恐慌からの学びから、多少はトランプ大統領に振り回された面はありますが、世界全体がうまく立ち回れたように思いました。
長期的に考えて以前のような低い関税に戻ることはないように思いますので、今後アメリカの疑惑通りアメリカ国内に工場を構える会社も増えてくると考えます。
アメリカの衰えてしまった製造業へのノウハウはすぐには取り戻せないと思うので、アメリカの製造業再構築のため日本が培ってきたスキルが必要になるかもしれません。日本のビジネスチャンスになると予想します。

Hikaruさん

トランプ大統領の関税引き上げ宣言時は、かなり戦々恐々とした気持ちでしたが、確かに思っていたほどの世界的な景気後退ではないかもしれません。
ただ、アメリカ製ネットワーク機器は、中国や台湾、韓国、ベトナムなど主要なIT機器・部品の輸入国からの製品の関税引き上げから、製品によっては2倍以上になるくらいに、もの凄い値上げとなっています。
情報インフラ部分での大幅な値上げは、今後に影響してくるのではないでしょうか。

【その他のテーマ】Can AI run the economy too? / AIは経済も運営可能か

Salsoulさん

過去のシグナル記事から、世界経済の生産性と所得の均等の両方を最大化する事を目的として、AIが政治的影響を受けない模擬の経済を作り出した記事を連想しました。歴史に学び過去の関税対策による経済恐慌を免れるよう、このAIシステムが導き出す世界は参考になるでしょう。
今から5年程前の記事ですがAIが当たり前の時代になるとの未来予測が今現在、まさにそのようになりつつありますね。
2020年05月15日
Can AI run the economy too? / AIは経済も運営可能か (日本語訳:Can AI run the economy too? = 「AIは経済も運営できるのか?」)
Can AI run the economy too? / AIは経済も運営可能か

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