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  1日5分ビジネス英語

資本主義に良心はあるのか? Can Capitalism Have a Conscience?

今回の記事は「資本主義に良心はあるのか?」という内容です。さていったいどのような内容なのでしょうか。

今回のポッドキャストです。お聴き下さい。

 本日のSentence

Some companies became famous for helping others. Bombas gives away one pair of socks for every pair sold.

他者への貢献で有名になった企業もあります。Bombas(ボンバス)は、靴下を1足売るごとに1足を寄付しています。

 ボキャブラリー

Backlashnoun特に社会的・政治的な動きに対する大規模で強い反発や反動
Pressureverb影響力や要求、威圧によって誰かに何かをするように強いる
Genuineadj本物の、誠実な、偽りやごまかしのない
Officiallyadv正式に、公的に認められた方法で
Step awayphrasal verbある活動から身を引く、または支援をやめる

 日本語訳

長年にわたり、企業の主な目的は株主のためにお金を稼ぐことでした。しかし、2008年の金融危機をきっかけに、企業は従業員、顧客、取引先、地域社会といったすべてのステークホルダーに配慮するようになりました。ところが数年後、不満を抱く株主たちが、こうした社会的取り組みを縮小または中止するよう企業に圧力をかけ始めたのです。Fast Company誌が書いたように、それは「善意のビジネスが悪い方向に向かった瞬間」でした。

他者への貢献で有名になった企業もあります。Bombas(ボンバス)は、靴下を1足売るごとに1足を寄付しています。Warby Parker(ワービー・パーカー)も同様のアイデアから始まりました。大手テック企業も善行を掲げていました。GoogleとFacebookは「世界をより良くする」ことを目指していると言い、Teslaは「地球を救う」と語っていました。

2019年には、米国の大手企業のCEOたちが正式に「企業は投資家だけでなく、すべてのステークホルダーに配慮すべきだ」と宣言しました。その直後、SalesforceのCEOであるマーク・ベニオフ氏は会議で「新しい資本主義がやってくる。お金儲けだけを気にしている企業は長くはもたない」と発言しました。

それはまるで新時代の幕開けのように見えました。しかし、その流れは長く続きませんでした。インフレの上昇、高金利、景気の低迷によって、投資家たちは再び利益重視へと回帰しました。さらに政治的な反発が事態を悪化させました。気候変動について発言した企業はボイコットや批判の対象となり、多様性・公平性・包括性(DEI)のプログラムは縮小されました。ESG(環境・社会・ガバナンス)を掲げる投資ファンドも苦戦しました。

現在、多くのCEOが「善意のビジネス」から距離を置いています。ただし、Patagonia(パタゴニア)やDr. Bronner's(ドクターブロナーズ)のように、ビジネスモデルそのものが社会的責任に根ざしている企業だけは、今も強くその姿勢を貫いています。パタゴニアは「人・地球・利益(People, Planet, Profit)」の理念を掲げ、ドクターブロナーズはフェアトレードとオーガニック商品を支持しています。

では、ステークホルダー資本主義は終わってしまったのでしょうか? 必ずしもそうではありません。気候変動や格差、そして消費者の意識の高まりといった課題は今も存在し、今後も企業活動に影響を与え続けるでしょう。ここから得られる最大の教訓は明らかです――企業が「善いこと」を行うのであれば、それは本物であり、現実的でなければならない。ただ口先だけであってはならないのです。Fast Companyが結論づけたように、「社会に貢献しながら、価値と適正な価格を提供できる企業こそが生き残る」のです。

【テーマ】Can Capitalism Have a Conscience? / 資本主義に良心はあるのか? — コメント色分け

【テーマ】Can Capitalism Have a Conscience? / 資本主義に良心はあるのか?

未来予測(青 #e5f0ff) 批評(赤 #ffe5e5) 補足情報(緑 #e5ffe5)
※ カテゴリは内容に基づいて振り分けています。英語コメントには(日本語訳:…)を付記しています。
投稿者:カニッシーさん
資本主義は富の偏りによる格差を拡大してきた。しかし、利益と社会的善意を両立するビジネスが広がれば、資本主義の枠内でも格差を緩和し、誰もが持続的に生きられる社会を築くことは可能なのではないか。善意のビジネスは、資本主義の中の希望と捉えられると思いました。
投稿者:Super HIDEGAKIさん
Honestly I’m disappointed that any companies in the US followed Donald Trump. Eventually they had only thought of gaining profits without real policy. Today we have to change business idea because resources in our planet are limited。 (日本語訳:正直、米国でドナルド・トランプに追随した企業があったことに失望しています。結局のところ、実質的な方針より利益追求しか考えていなかったのだと思います。地球の資源は有限なので、今日、私たちはビジネスの発想を転換しなければなりません。)
投稿者:雨のち晴れさん
「社会に貢献しながら、価値と適正な価格を提供できる企業こそが生き残る」
・社会に貢献できているのか/我々が顧客に提供している価値は何か/価格は適正か。
この3つを満たせない会社は短期的な利益は上げられても長くは続かない。こうした会社を短期利益を求める投資家から守るのも、私たち消費者であり従業員ではないか。
利益還元ばかり求める投資家、価格しか見ない消費者、社会貢献に無関心な従業員——そのようなステークホルダーでは「善意のビジネス」は守れない。
一人ひとりは投資家でもあり消費者でもあり従業員でもある。私たちの行動が最終的に「善意のビジネス」の寿命を決めるのだと思いました。
投稿者:Jtさん
I looked into purpose-driven companies such as Patagonia and Dr. Bronner’s. Can their models be replicated by other companies? Patagonia’s founder, Yvon Chouinard, donated all his shares to environmental protection groups and focuses on maximizing long-term environmental value. Dr. Bronner’s, on the other hand, has maintained family management while obtaining fair-trade and organic certifications. What these two companies have in common is that their purpose is deeply embedded in their core management philosophy. However, if other companies try to adopt similar models, they may face several obstacles, such as limited shareholder structures, the challenge of maintaining brand originality, and high costs and management complexity. In conclusion, their models can be replicated, but it will not be easy. I believe that if companies have genuine purposes, they can reproduce these models—but doing so requires adequate time, strong belief, and unwavering consistency. (日本語訳:パタゴニアやドクターブロナーのようなパーパス主導型企業を調べました。これらのモデルは他社にも再現できるのでしょうか。パタゴニアの創業者イヴォン・シュイナードは全株式を環境保護団体に譲渡し、長期的な環境価値の最大化に注力しています。一方、ドクターブロナーは家族経営を維持しつつフェアトレードやオーガニックの認証を取得してきました。両社に共通するのは、目的が経営の中核に深く組み込まれている点です。ただし他社が同様のモデルを採用しようとすると、株主構成の制約やブランド独自性の維持、コストや経営の複雑化などの障害に直面する可能性があります。結論として、モデルの再現は可能だが容易ではありません。企業に真の目的があるなら再現は可能ですが、そのためには十分な時間、強い信念、そして揺るがない一貫性が必要です。)
投稿者:Akさん
Happy birthday, Matt-san, cheers to another year of greatness!(日本語訳:マットさん、お誕生日おめでとうございます。さらに素晴らしい一年になりますように!)
投稿者:Akさん
The concept of ‘business for good’ or ‘business for bad’ does not feel right to me. If you want to run a business for a long time, you cannot continue to operate without having social responsibilities. Only when a company is found to pursue short-term gain at the expense of stakeholders and nature can it neglect its social responsibility. We cannot live without consuming natural resources or other life forms; also, businesses cannot last. It’s a trade-off. To sustain our business, we must be responsible/accountable for what we have lost; we must try not to lose it. In the 1970s and 1980s, the company might have been able to ignore these impacts and advance its business; now, almost everyone is aware of them. (日本語訳:「良いビジネス/悪いビジネス」という二分法はしっくりきません。長く事業を続けたいなら、社会的責任なしには運営できません。利害関係者や自然の犠牲のうえで短期的利益を追うときだけ、企業は責任を放棄します。私たちは自然資源や他の生命を消費せずには生きられず、企業も存続できません。そこにはトレードオフがあり、失ったものに対して説明責任を持ち、失わない努力をすべきです。1970〜80年代はこうした影響を無視しても事業を進められたかもしれませんが、今はほとんどの人がそれを認識しています。)
投稿者:nobotaさん
I hadn’t heard of Dr. Bronner’s before, so I looked them up. Like Patagonia, they consistently uphold sustainable business principles. The final sentence of the article—aiming for a society where it’s common sense that “only companies that contribute to society while providing value and fair prices will survive”—makes me realize it surprisingly depends on us consumers. (日本語訳:ドクターブロナーを知らなかったので調べてみました。パタゴニア同様、持続可能な経営を一貫して実践しているのですね。記事の最後の一文——「社会に貢献し、価値と適正価格を提供する企業だけが生き残るという常識の社会を目指す」——を読むと、最終的には消費者である私たちにかかっているのだと実感しました。)
投稿者:Cooさん
全てのステイクホルダーのためという理念は、長い目で見れば後退しているとは思いません。偽善かどうかより「無いよりはマシ」であり、(リーマンショックが分岐点かは別として)当時より現在の方が前進しているのは明らかだと感じます。
利益追求は当然ですが、自己利益だけを求める投資家がいるなら、いずれ失敗し揺り戻しが来ると想定します。(人が一人で生きていけないと言われるのと同様に)
投稿者:Salsoulさん
マットさん、お誕生日おめでとうございます!これからも、マットさんが作ってくださった唯一無二の素晴らしいコミュニティーを大切にして行きたいと思います。
投稿者:Salsoulさん
Today’s topic made me think that the mindset of “integrity” is important. I think that it is very similar with the spirit of “who cares,” which is our common language. “Integrity”, particularly in business and organizations, refers to acting true to one’s beliefs and principles and adhering to high moral and ethical standards. No matter what others say, being able to say what you believe is right when you do, and taking action that you believe is right. I think thau integrity is all about “who cares”. (日本語訳:今日のテーマから「インテグリティ(誠実さ)」の心構えが大切だと感じました。これは私たちの共通言語である“Who cares”の精神にも通じます。とりわけビジネスや組織でのインテグリティとは、自分の信念と原則に忠実であり、高い倫理基準を守ることです。他人が何と言おうと、正しいと信じることを口にし、行動できること。インテグリティの核心は“Who cares”だと思います。)
投稿者:M-san
経営環境が悪化するとESGやDEIの取り組みを後退させる企業は、所詮その程度の実力(張りぼて)なのだと思います。ESG/DEIは正しさの具現化であるだけでなく、長期的に企業成長につながるのは周知のとおりです。マシュー・サイド著『多様性の科学』では、認知的多様性が問題解決力を高めることや、多様性欠如が大失敗を招いた事例(CIAが9.11を察知できなかった)が紹介されています。それにもかかわらず逆行するのは残念です。「有色人種優遇が白人男性の逆差別を生む」という発想自体もおかしいと思います。これは自国第一主義とも通底します。「血税を移民に?物価高で苦しむ我々に使うべきでは?」と。寛容さは巡り巡って自分たちに還元されます。「情けは人の為ならず」。マットさん、お誕生日おめでとうございます。
投稿者:ごっチャン
さまざまなトピックスから、「社会課題に取り組む企業は必ず存在し続け、そこに顧客も人材も集まる」と予想しました。世界に価値を提供し続けることが、個人でも企業でも存続の条件だと思います。投資家の姿勢や投資先の浮き沈みはあっても、社会課題に取り組む企業や個人を応援する取り組みは官民双方で続くと期待します。
PS:マットさん、お誕生日おめでとうございます!
投稿者:orangeさん
シェアホルダーとステークホルダーのバランスが大事ですね。成功例のPatagoniaやDr. Bronner’sは、製品自体が社会貢献を後押しし、両者の理解の接点を作れたのだと思います。SNSが簡単にボイコットや批判につながる現在は、CEOの強いリーダーシップや情報発信・レピュテーション管理を含む戦略が生存の鍵になるでしょう。
追伸:マットさん、お誕生日おめでとうございます。いつも解説ありがとうございます。健康第一で!
【テーマ】Business Ideas for the Future / 未来に向けたビジネスアイデア — コメント色分け

【テーマ】Business Ideas for the Future / 未来に向けたビジネスアイデア

未来予測(青 #e5f0ff) 批評(赤 #ffe5e5) 補足情報(緑 #e5ffe5)
※ カテゴリは内容に基づいて振り分けています。英語コメントには(日本語訳:…)を付記します。
投稿者:Enhanceさん
1. 自分の意見
Innovationはより良い世界を作るものという考えに共感します。ただ、より良い世界とは何か?という点を考えると深いテーマだと思います。より良いものと思って生み出してきたものが環境や他の生態系には良くないものであったりすることもあります。その製品の原料から廃棄まで、広い視野で考えることが重要だと思いました。
投稿者:Enhanceさん
2. 想定される未来
人の行動もイノベーションの一つであり、可能性は無限大という考えが広がる未来を想像しました。人ほど柔軟にいろいろな動作ができ、考え方・行動次第で凄いことが実現できるものは他にはありません。一人一人のちょっとした行動がより良い世界を築いていくことを信じています。
投稿者:pochakumaさん
久しぶりにまたラジオを聞き始めました。たくさんのアイデアがあって面白いですね。ところで、もう何年も毎日英語を聞いてコメントを残していらっしゃる皆様に尊敬しかありません。
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メールアドレス: matt3英語@gmail.com
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件名: Signal Project 参加希望

お名前: フルネームでお願いします。

職業: 業界・業種だけでも書ける方はお願いします。

志望動機: プロジェクトへの参加動機など簡単にお願いします。

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