デザイナーズ・ベビー Designer Babies

今回の記事は「デザイナーズ・ベビー」という内容です。さていったいどのような内容なのでしょうか。

今回のポッドキャストです。お聴き下さい。

 本日のSentence

Preventive aims to find out if embryo editing can be done safely.

Preventive社の目的は、胚の遺伝子編集が安全に行えるかどうかを明らかにすることだ。

 ボキャブラリー

 日本語訳

時に、どれほど高度な技術であっても、倫理的・社会的・安全面の懸念から使うべきではない場合がある。こうした「タブー技術」の例には、核爆弾、AIによるディープフェイク、生物兵器、大規模な公共監視などが含まれる。今日、最も議論を呼んでいる技術の一つが遺伝子編集である。編集された胚を妊娠に使うことは、アメリカを含む多くの国で禁止されているが、それでも一部の企業は、致命的な病気を持たない、さらにはより高い知能を持つ可能性のある赤ちゃんを作り出す研究を行う科学者を支援している。

2018年には、中国の生物物理学者・賀建奎（フー・ジエンクイ）氏が、人間の胚のゲノム編集に成功したと発表し、世界に衝撃が走った。彼は後に懲役3年の判決を受けた。しかし、この論争は、人類の未来を形づくりたいと考える起業家たちを止めることはなかった。シリコンバレーでも最も裕福な投資家の一部に支援された複数の新興企業が、胚の遺伝子編集研究に莫大な資金を投じている。『エコノミスト』誌によれば、最も注目されている企業は、科学者ルーカス・ハリントンが設立したPreventive（プリベンティブ）である。同社は10月下旬、大手テック投資家から3,000万ドルの資金調達を行ったと発表した。

Preventive社の目的は、胚の遺伝子編集が安全に行えるかどうかを明らかにすることだ。ハリントンは『MITテクノロジーレビュー』に対し、同社は公益法人であり、利益よりも公共の利益を優先する義務があると語っている。彼のチームは、この技術に関わる科学的仕組みやリスクを徹底的に理解したいと考えている。

同じ分野では、アメリカの他の2つのスタートアップ、Bootstrap Bio と Manhattan Genomics も研究を進めている。『MITテクノロジーレビュー』は、これらの企業は現在、小規模なチームと限られた設備しか持たず、主流の科学者からの支援もほとんどないと指摘している。それでも彼らは、胚の遺伝子編集が将来、ハリントンの言葉を借りれば「私たちの時代で最も重要な医療技術の一つ」になるかもしれないという信念を共有している。

一方で、批判も多い。多くの経験豊富な研究者は、胚の遺伝子編集はリスクが高すぎ、必要性も低いと主張する。予期せぬ遺伝子変化、新たな有害変異の発生、そして編集された遺伝子が将来世代へ受け継がれる可能性を懸念しているのだ。

それでも、裕福な支援者たちは今後もこの研究に資金を提供し続ける可能性が高い。社会がこの技術を受け入れるのか、それとも拒否するのかは、これらの企業がどれだけ安全に、責任を持って、そして透明性を保って研究を進めるかにかかっている。