クリーンな鋼鉄 Steel Without Smoke
今回の記事は「クリーンな鋼鉄」という内容です。さていったいどのような内容なのでしょうか。
今回のポッドキャストです。お聴き下さい。
本日のSentence
In Namibia, a project called Hylron is using hydrogen to make iron, the basic material for steel. It is part of Namibia’s larger plan to become the world’s first hydrogen economy.
ナミビアでは「Hylron」というプロジェクトが、水素を使って鉄(鋼の基本材料)を生産しています。これは、ナミビアが世界初の「水素経済」を目指す大規模計画の一部です。
ボキャブラリー
Pollution | noun | 環境に有害な物質が存在すること、またはそれを導入すること |
---|---|---|
Expand | verb | 規模・数・重要性が拡大する、広がる |
Developing | adj | 産業化や所得水準が低いが、進展を見せている国や地域を指す |
Critically | adv | 非常に重要な形で |
Place hopes on | phrasal verb | 将来の成功や改善をその対象に託す、期待をかける |
日本語訳
鋼鉄は車や家、橋などあらゆる場所で使われています。現在、世界では年間約20億トンの鋼鉄が生産されており、これはマンハッタンを厚さ13メートルの層で覆えるほどの量です。しかし、この生産は大量の二酸化炭素を排出します。
この状況は「グリーン水素」で変えることができるかもしれません。1.8兆ドル規模の鉄鋼業界は、よりクリーンになれるのでしょうか?MIT Technology Reviewの2つの報告は、その可能性があると示しています。
ナミビアでは「Hylron」というプロジェクトが、水素を使って鉄(鋼の基本材料)を生産しています。これは、ナミビアが世界初の「水素経済」を目指す大規模計画の一部です。スウェーデンでは、Stegraという企業が世界初の大規模グリーン鉄鋼工場を建設中です。
Hylronプロジェクトはドイツ企業とナミビア企業の協力によるもので、両国政府も支援しています。キルン(炉)はドイツで設計されましたが、生産地はナミブ砂漠で、5,000マイル以上離れています。これは、先進国が発展途上国の自然資源を活用する例です。ナミブ砂漠はほとんど雲がなく、太陽と風が豊富で、グリーン水素生産に最適です。
ナミビアは水素に大きな期待を寄せています。「グリーン水素および派生物戦略」に基づき、沿岸部の3つの「水素バレー」でプロジェクトを進めています。2050年までに年間1,000万〜1,200万トンの水素を生産する計画で、これにより鉄、アンモニア、低炭素航空燃料を輸出できるようになります。
スウェーデンのStegraは約70億ドルを調達し、2026年にボーデン工場で操業開始予定です。工場では水素を水から分離する大規模電解装置に水力と風力を利用します。その水素が鉄鉱石から酸素を取り除き、金属鉄を作ります。これは鋼鉄製造の重要なステップです。この方法は以前Midrex社が使っていましたが、Stegraは初めて本格的な産業規模に拡大します。
ほぼ14,000 km離れたこれら2つのプロジェクトの成功は、温室効果ガスを出さない新時代の鉄鋼生産の到来を示す可能性があります。世界で最も重要な素材が、ついにクリーンな未来を手に入れるかもしれません。
【テーマ】Steel Without Smoke / クリーンな鋼鉄
IEA(国際エネルギー機関)は「グリーンスチール」の市場が2050年に約5億トン、2070年にはほぼすべて置き換わっていくと予測する記事がありました。中国や韓国の企業もCO₂削減に取り組んでいるようです。日本も1億トンの生産国とのことですし、各国が良い意味で競い合い、予定より早く実現するといいですね。
参考:NEDO記事
ナミブ砂漠の世界遺産としての価値や、生態系への影響に配慮してほしいという視点からのご意見。先進国が途上国の自然資源を活用する際に「自然破壊」にならないよう十分な環境配慮を求めています。太陽光パネルや風力の設置が生態系やマイクロプラスチックの問題を引き起こさないかという懸念も提示されています。
グリーン水素を燃料に炉を動かす取り組みが世界的に進んでいるとの整理。温室効果ガス削減に向けて、安全にプロジェクトが進むことへの期待が述べられています。
Given that resources are limited in our planet., we have to consider how to use more green energy without natural fuels or metals.
Green hydrogen would be better choice, because it generate power not to make CO2 and not to use natural resource.
Most big Challenge would be huge costs.
We hope a lot of innovations improve it.
(日本語訳:地球上の資源が限られていることを踏まえると、化石燃料や金属資源に依存しないグリーンエネルギーの利用を拡大する必要があります。グリーン水素はCO₂を出さず、天然資源の消費も抑えられるため有望です。最大の課題は巨額のコストであり、多くのイノベーションによって改善されることを期待します。)
using alternative energy sources for manufacture industrial production is imperative for clean environment in the future.
I can see a bit hope for humanity.
Like other commenters say that it would involve some risks but I want to focus on future generations’ safety.
(日本語訳:将来のクリーンな環境のためには、産業生産に代替エネルギー源を用いることが不可欠です。人類にささやかな希望が見えます。リスクが伴うという指摘もありますが、私は将来世代の安全に焦点を当てたいと思います。)
(後段のイベントや読書に関するコメントは話題外のため省略なしで掲載しています)
サルソウルさんのゴミ拾いイベントお疲れ様でした。…(原文どおり)
I looked into how green steelmaking influences global geopolitics and competition.
… Taken together, I believe that green steel is not only a technological innovation but also a force shaping new resource geopolitics in the 21st century.
(日本語訳:グリーン製鉄が地政学と競争にどう影響するかを調べました。南北問題と資源利用の再編、EUの規制と市場競争、新たな輸出国の台頭と従来の鉄鋼大国(中国・インド・韓国・日本)の地位低下、産業構造や雇用の変化が鍵です。総合すると、グリーン製鉄は技術革新にとどまらず、21世紀の新たな資源地政学を形づくる力だと考えます。)
For Japan, the cost of green hydrogen would be one of the main bottlenecks … private companies or individuals must compensate for the lack of appropriate government action.
(日本語訳:日本にとってグリーン水素のコストは普及の主要なボトルネックの一つでしょう。ナミビアに加え、スウェーデンは電力コストが低く再エネ比率も高く、鉄・電力・製鉄のエコシステムが日本より集約しています。日本では適切な政策の欠如が要因かもしれません。産業構造が大きく変化する局面では、政府の不十分な対応を民間や個人が補わざるを得ない場面もあります。)
イベントへの謝意、素材づくりでの水素活用と副産物まで含めたエコシステムへの言及、そしてアフリカ(グローバルサウス)がSDGsのイニシアチブを取る意義についての補足。
参考:
・Skiing in the Desert / 砂漠でスキー(2025-09-11)
・City Building Blocks(2023-09-16)
・Beer and crisps(2020-12-18)
・Europe can’t get enough of “good CO2”(2018-07-13)
水素のグレー/ブルー/グリーンの整理、砂漠での大規模設備の環境負荷判断、ナミビアの歴史(旧ドイツ植民地)や中国製設備の関与可能性など、関連背景の補足。
参考:参考リンク
iron(鉄)とsteel(鋼)の違いに関する用語の確認とユーモラスな所感。
ナミビアでの海水淡水化→電解→H₂-DRI→HBI→電炉地へ輸送、というプロセスの補足。過酷環境で設備が耐久年数を全うできれば「完全にクリーンな未来」に近づくという示唆。
「水素製鉄の実現はまだ先だが、国際協業も含めた技術開発と実用化の努力は続く」という予測。関連トピックスの参照リンク付き。
・Hydrogen Trains(2023-08-25)/
・GM’s all-electric future(2021-02-06)/
・UK aims for fusion energy by 2040(2020-11-11)/
・Breakthrough technology(2022-12-23)
Salsoul-san, Matt-san Thank you for providing wonderful clean-up event! … If a power balance between countries changed in the future, the US might lose this profit in return.
(日本語訳:清掃イベントをありがとうございました。… ただし、米国政府が利益を得るために社会制度を変えつつあるのではという懸念があります。将来、各国のパワーバランスが変われば、米国はその見返りとしてこの利益を失うかもしれません。)
※本コメントは「Trump’s Corporate Shakedown / トランプによる企業買収」への投稿ですが、依頼に基づき同一フォーマットで整理しています。
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Steel is still a major player in materials and a significant contributor to carbon dioxide emissions. This large proportion can be addressed through the use of green energy, and I will continue to focus on technological development and practical application in this field so that we can take a big step forward in improving global warming.
(日本語訳:鋼は依然として重要な素材であり、CO₂排出の大きな要因でもあります。この大きな割合はグリーンエネルギーの活用で対処できるはずで、地球温暖化の改善に大きく前進できるよう、この分野の技術開発と実用化に引き続き注力したいと思います。)