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  マットBlog

クロス・カルチャーセミナーに参加する

東京アメリカンクラブでThe Brannen GroupのBrannen女史がセミナーを行ったので参加。 主催はアメリカ商工会議所。  Chris B._ver1 18時から開会したセミナーは21時まで休憩なしで行われた。 セミナーのテーマはクロスカルチャーだ。 実はクロスカルチャーは単に異文化をお互いに理解しましょうね、という位に考えていた。 ところが、それだけでは文化の違いを楽しく学ぶ巷の「カルチャースクール」になってしまいビジネスの現場では使えない。 勿論、異文化コミュニケーション・セミナーの一部には各国の文化・慣習の違いは大切なパートになる。ちなみに日本は世界でも有数のプロトコルつまり慣習のレベルが高い国だ。 反対にprotocolが低いのはオーストラリアだとか。本日参加していたオーストラリア人の外資系企業日本代表が着任した時の日本人スタッフとの間で多くのprotocolから来るギャップをエピソードとして語ってくれた。 しかしそんなオーストラリアにも日本に似た文化があると言う。たとえば公園などの芥子の花Poppyは花の高さが高すぎるものは切られて同じ高さにそろえられてしまうとか。出る釘は両国とも同様なようだ。 話はセミナーに戻る。このようにまず文化からみて違いがあることを認識して、何をどのようにビジネスの現場で自分のスタイルを変えていくかが大切。たとえば、結果を先にすべき国の人に対しては結果を述べる。トップダウンではなく合議で決定していくお国柄には、なるべく合議を重ねる等々。 こんな例があがった。アメリカ人の上司が日本人の部下に今後のビジネス戦略について自分の考えを伝えた。伝え終わってから「君の意見を聞かせてくれ、今すぐに」と。しかし部下は「今すぐには即答できない」と回答。もうこのあたりに、異文化のギャップが生じている。このようなケースにはどう対応するか。解決例としては、たとえば 上司が事前に考えを部下に伝えておけば十分に考える時間を与えることができたはずだ。
  • Protocol:  “high use” and “low use” = その国に慣習が多いのか、少ないのかでhigh , low
  • Decision Making:  “top-down” and “consensus”  = その国あるいは会社はトップダウンで或いは合議で物事を決めていくのか
  • Problem Solving:  “process-centric” and “people-centric” =問題解決方法は、問題の課程を重視するのか、人間そのものを重視するのか
  • Communication:  “direct” and “indirect” =コミュニケーションは直接意見等を言うのか、或いは間接的なのか
  • Information:  “background” and “foreground” =説明の際に背景を重視するのか、結論を前にもってきて理由付けしていくのか
  • Identity:  “group” and “individual” =グループで仕事をするのか、個人に委ねるのか
上記のようなディメンション(dimension)を物差しにして自分のスタイルを知ることが、この理論の肝の部分だ。 そこから、自分のスタイルを他国・他社文化に対してどのようにアジャストするか、これをスタイルスイッチング(Style Switching)と呼び、とても大切な事になる。 ただし、あまりにも相手に迎合してしまうと自分の良さの部分がなくなってしまうので、「自分」をもちつつ相手のスタイルに合わせてスタイルスイッチをするのだそうだ。 (昨日参加したイギリス人男性は、日本滞在が長く、背景説明を重要視していたが、彼のボスの日本人はアメリカでMBAを取得するなど考え方はアメリカ的。 そこで生じたのはイギリス男性はStyle Switchし過ぎて日本的に、逆に上司はアメリカ的になり結果ギャップが生じた。) この例からもスタイルスイッチもほどほどにという事が分かる。 このクロスカルチャー、Global Effectivenessについて最も大切なポイントは、現実にギャップがあることを認識し、それを文化の違いだからという言い訳にせず、示された理論に沿ってスタイルを変えていく。それにつきると思った。 最後にBrannen氏が紹介した日本で実際に起こった事例を紹介したい。 ある日、アメリカ企業の女性が日本企業のトップに対してプレゼンを行うことになった。 その女性は、プレゼン内容に対して様々な質問に対応できるように完璧な準備をして臨んだのだが・・・。 社長からの質問は "Are you married? " であった。 その質問を受けた女性は、動揺し心中穏やかであろうはずがない。 当然、その質問を無視した。 すると無視された社長は、激怒した。そして予定時間を大幅に削ってそのプレゼンを終わりにしてしまったのだ。 さて、ここでは何が問題だったのか? 当時 アメリカの女性の敬称をミセス、ミス、からミズにという流れはあったものの、やはりMrs.  Missが正しいとされていた。そのことを事前に調べ、この女性に対して失礼があってはならないとの理由でこの質問を社長はしたのだそうだ。 「言葉が足りなかった」と言ってしまえばそれまでだと思う。 しかし、女性側も一言「社長さん。ご存知のように欧米ではプライベートに関する質問、特に女性に対して年齢等の質問をするのはよくないとされています。今の質問の主旨は何でしょうか?」と質問の意図を聞くことができればよかったのだろう。 社長も「それは、大変に失礼しました。私は、あなたを呼ぶときにMrs. Johnsonと呼ぶのか、Miss Johnsonと呼ぶべきかという事を襟を正したいとの思いで聞いたのです」 この3分で終ったであろう質疑応答があれば、恐らく両者良い関係を保ち、ビジネス機会が失われることがなかった筈だ。 一時が万事、異文化コミュニケーションは侮ると損失も大きい。 【蛇足】 実は、昨日のセミナーに限らず通常のプレゼンや研修などでも体験した人は多いと思うのだが、英語で事例をさっと読まされて、それについてグループで議論しましょう、というもの。 例えば短い方だが、以下のような事例を読んで、話し合う。ネイティブ参加者の読むスピードは半端ではないと感じたのだ。 早く読めるように!頑張らねば!!
Ken Kobayashi is having difficulties with Mary Allen.  Ken decides to be the one to resolve their problem so it does not get in the way of their working together.  Not wanting to confront Mary,  Ken calls Jason, a mutual colleague in Singapore.  Ken tells Jason about the problem and asks that Jason talk with Mary.  Ken is hoping that things will be cleared up and waits for a call from Mary.  After a week and no call, Ken again calls Jason and asks if the talk with Mary went well.  Jason assures him that it did. Another two weeks pass and there is still nothing from Mary.  Then, to Ken’s surprise, he hears from other colleagues that Mary has told the global head that he, Ken, is not a team player and that working with him is tremendously difficult.