マットBlog
グローバル人材力を測定する?
2013年6月18日
本日、グローバル教育学会が主催する会合に初めて参加させてもらう。
この会は、先日も少し触れた渥美育子先生が中心になって日本にグローバルビジネス検定試験を作るというものだ。
本日は、これまで適性試験など数多く作成してきた方が検定試験を作成する難しさ等についてお話をされた。
実際に、グローバル人材を検定という制度でアセスメントをしていく事は難事だと思う。反面、不可能と思えるものも必要は発明の母なわけだから、やる価値はあるとも思った。
英語とくにビジネス英語に関わる人間としては、耳が痛い話なのだが現在の名だたる大手企業でさえもグローバル化=英語研修 という考え方が主流となっている。 横並びで「うちはTOEICスコアをベンチマークにしてグローバル人材を育成している」と言っておいた方が楽なのだ。人事研修担当者側に立つならば「それ以外に測れるツールはないのでは?」となる。それはごもっともの事だ。
ただ、我々が普段気づかない些細な事でもグローバルビジネス慣習が重なって、感情的になったり、閉鎖的になりビジネスそのものに支障が出来る事が少なくない。
こんな例があった。 ある世界でも3本の指に入る一流企業が中国に拠点をおいてビジネスを始めた時にこんな問題があった。メールのやりとりだ。
アメリカのマネージャーは基本的にメールで連絡をしようとする。一方、中国現地ではメールはそれほど早く返信しなくとも良いと考えていた。 一度や二度ならまだしも、大抵メールのやりとりに遅延が起こっていたのだ。
本国のマネージャーは感情的になり、現地スタッフは怠惰だとの認識をしてしまう。つまりメールのみならず全てにおいてだ。こうした感情を持ってしまったらうまくいくもの行かなくなる。色々なところにほころびが生まれる。
さぁ、こうした問題でグローバルコミュニケーションの専門家はどう対処したのだろう?
これを読まれている方にはお判りだと思う。
この専門家は、マネージャに提案した。「おたくの会社にはメールの返信ルールは設けていますか?」と。
ただこれだけなのだ。 会社として、「メールの返信は原則24時間以内に」というルールを決めてあげれば良いだけだったのだ。
初めてこの話を聞かれた方は、『なんだ、そんな簡単な事か』と思われただろう。
実は、簡単な事が原因で、あるいは積み重なって重要な障害に発展することがよくある。
社内なら、まだ救われるが対外的には、取り返しのつかない問題にもなりかねない。
商機を失い、場合によってはコンプライアンスの問題で多額の罰金を支払うことだってあるのだ。
グローバルビジネス検定。是非とも実現したいので、できる限りの協力をしていきたい。