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  1日5分ビジネス英語

世界が無料で使うGPS――なぜ米国が費用を負担するのか? The World Uses GPS for Free. Why Does the U.S. Pay the Bill?

今回の記事は「世界が無料で使うGPS――なぜ米国が費用を負担するのか?」という内容です。さていったいどのような内容なのでしょうか。

今回のポッドキャストです。お聴き下さい。

 日本語訳

スマートフォンで自分の現在地を確認するとき、船が航路を進むとき、あるいは金融機関が取引の時刻を記録するとき、その裏ではGPSが働いている可能性があります。しかし、見落とされがちな疑問があります。いったい誰が、このシステムを維持するための費用を負担しているのでしょうか。

答えは、米国の納税者です。GPS関連の予算は年度によって異なりますが、2022会計年度には、米議会がGPSの中核プログラムに20億ドルを超える予算を計上しました。この資金は、GPS衛星や地上管制システムの開発、運用、保守、近代化などに使われています。それでも、民間向けGPSサービスは、世界中で利用者が直接料金を支払うことなく使うことができます。

では、なぜ米国は費用を負担し続けているのでしょうか。

大きな理由の一つが国家安全保障です。GPSはもともと米国防総省によって開発され、現在も米軍は、正確な位置情報、航法、時刻情報を得るためにGPSに大きく依存しています。世界規模で利用できるシステムを維持することは、米軍が世界各地で活動するうえでも役立っています。

さらに、経済面での重要性もあります。GPSは航空機や船舶の航行を支え、農家による精密機器の利用を助け、建設や物流を支援し、スマートフォンの位置情報サービスも可能にしています。そして、多くの利用者が考える以上に重要なのが、正確な「時刻」を提供する機能かもしれません。通信ネットワーク、金融システム、電力網では、それぞれの運用を正確に同期させるために、極めて高精度な時刻情報が利用されています。

こうしたGPSの世界的な普及は、その戦略的価値をさらに高めることにもつながります。米国は、民間向けGPSを開放し、利用者から直接料金を徴収しないことで、幅広い普及を促してきました。その結果、GPSを基盤とする製品、サービス、社会インフラの大きなエコシステムが形成されています。米国は長年、世界中での民間利用を支援するとともに、GPSを国際的な標準として普及させる政策を進めてきました。利用者から直接料金を徴収すれば収入を得られるかもしれません。しかし、それは同時に、GPSがここまで広く普及した大きな理由の一つを弱める可能性もあります。

そう考えると、GPSに使われる資金は、単に米国が世界にサービスを提供するための費用ではありません。それは同時に、重要な軍事能力、世界で広く利用される技術標準、そして米国経済を支えるインフラへの投資でもあります。次にスマートフォンがあなたの現在地を示したとき、少し思い出してみてください。民間向けGPSは利用時に料金を払わずに使えますが、その状態を維持すること自体が、米国による意図的な政策上の選択なのです。

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