人類の「生存の可能性」を変えた5人の科学者 Five Scientists Who Changed the Odds of Survival
今回の記事は「人類の「生存の可能性」を変えた5人の科学者」という内容です。さていったいどのような内容なのでしょうか。
今回のポッドキャストです。お聴き下さい。
日本語訳
一人の人間は、いったいどれほど多くの命を救うことができるのでしょうか。正確な答えを出すことはできません。ある発見によって助かった人の数を、単純に数えることはできないからです。それでも、その研究が人類に与えた影響の大きさという点で、特に際立っている5人の研究者がいます。
アレクサンダー・フレミングは、1928年にペニシリンを発見し、細菌感染症の治療に新しい時代を切り開きました。しかし、フレミングの発見だけで、すぐに実用的な治療薬が完成したわけではありません。その後、ハワード・フローリー、エルンスト・チェーンをはじめとする研究者たちが、ペニシリンを効果的な治療薬へと発展させ、大量生産できるようにすることに貢献しました。
フレデリック・バンティングは、かつては命に関わることが多かった1型糖尿病を、長期的に管理できる病気へと変えることに大きく貢献しました。バンティングは、チャールズ・ベスト、ジョン・マクラウド、ジェームズ・コリップらとともに研究を進め、インスリンを有効な治療法として確立することに貢献しました。バンティングとマクラウドは、インスリンの発見により、1923年のノーベル生理学・医学賞を受賞しています。
カール・ラントシュタイナーは、人間の血液には異なる型があることを明らかにし、より安全な輸血への道を開きました。彼の研究はABO式血液型の基礎となり、なぜ輸血が成功する場合と、命に関わる危険をもたらす場合があるのかを説明する手がかりとなりました。ラントシュタイナーは、人間の血液型の発見によって、1930年のノーベル生理学・医学賞を受賞しました。
一方、ノーマン・ボーローグが立ち向かったのは、病気ではなく飢餓でした。彼が開発した、収穫量が多く病気にも強い小麦の品種は「緑の革命」を推進する力の一つとなり、メキシコ、インド、パキスタンなどの国々で食料生産を大幅に増やすことに貢献しました。こうした変革に果たした役割が評価され、ボーローグは1970年にノーベル平和賞を受賞しました。
最後に紹介するモーリス・ヒルマンは、この5人の中では最も知られていない人物かもしれません。しかし、彼は40種類を超えるワクチンの開発、あるいはその開発への協力に携わりました。その仕事は、麻疹、おたふく風邪、A型肝炎、B型肝炎をはじめ、さまざまな病気のワクチンにつながっています。こうしたワクチンは、かつて多くの人々を苦しめ、命を奪っていた感染症から、何世代にもわたって人々を守ってきました。
この科学者たちを「何人の命を救ったか」という数字で順位づけする、信頼できる方法はありません。また、彼らの画期的な研究が社会に大きな影響を与えるまでには、共同研究者や研究機関、政府、そして後に続く何世代もの研究者たちの力も必要でした。
それでも、彼らの仕事がいかに広く、長期にわたって人類に影響を与えてきたかは明らかです。彼らが救ったのは、単に一人ひとりの命だけではありません。人類そのものの「生き残る可能性」を大きく変えたのです。
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