MLBに「ロボット審判」登場――そして、これはまだ始まりにすぎない Robot Umpires Have Arrived — And They’re Just the Beginning
今回の記事は「MLBに「ロボット審判」登場――そして、これはまだ始まりにすぎない」という内容です。さていったいどのような内容なのでしょうか。
今回のポッドキャストです。お聴き下さい。
日本語訳
100年以上にわたり、野球のストライクゾーンは、基本的にホームプレートを担当する球審の目によって判断されてきました。しかし2026年、その長い歴史に大きな変化が起きました。メジャーリーグ(MLB)が「自動ボール・ストライク判定(ABS)チャレンジシステム」を導入したのです。
とはいえ、人間の審判が完全に機械に置き換えられたわけではありません。打者、投手、捕手がヘルメットや帽子を軽くたたくことで、ボール・ストライクの判定に異議を申し立てることができます。すると、トラッキングカメラがその投球をほぼ瞬時に再判定します。
各チームは1試合につき2回のチャレンジ権を持ってスタートし、チャレンジが成功すれば、その権利は失われません。延長戦では、そのイニング開始時点でチャレンジ権を使い切っているチームに、新たに1回のチャレンジ権が与えられます。
新システムは、導入初日から印象的な場面を生み出しました。
ヤンキースのホセ・カバジェロは、MLBの選手として初めてABSによる判定へのチャレンジを行いました。ジャイアンツの投手ローガン・ウェブが投げたシンカーを球審がストライクと判定すると、カバジェロはヘルメットをたたいてチャレンジを要求しました。
ところが、球場のスクリーンに映し出されたシステムの判定は、球審の判断が正しかったことを示しました。
この出来事は、新しいシステムの重要な特徴を象徴しています。テクノロジーが、必ずしも人間の判断を覆すわけではないのです。
8月までには、すでに何千件もの判定に対してチャレンジが行われ、そのうち半数をわずかに上回る判定が覆されました。また、MLBが春季キャンプ期間中に行った調査では、ファンの72%が、このチャレンジシステムによって観戦体験が向上したと回答しています。
このシステムが野球にもたらしたのは、判定精度の向上だけではありません。新たな「戦略」も生まれています。
選手は、単に「今の判定は間違っているのではないか」と考えるだけではなく、その場面で貴重なチャレンジ権を使う価値があるかどうかまで判断しなければなりません。3回の微妙な判定と、9回満塁での微妙な判定では、その重要性はまったく違ってくるからです。
こうした変化は、野球だけのものではありません。プロテニスでは現在、電子式のライン判定が広く使われています。またサッカーでも、ゴールライン・テクノロジーやビデオ判定を使い、審判だけでは判断の難しい場面を確認する仕組みが導入されています。
では、この先はどうなるのでしょうか。
今のところMLBは、すべての投球をテクノロジーだけで自動判定するところまでは踏み込んでいません。ホームプレートの後ろには、今も人間の球審が立っています。
しかし、選手やファンが瞬時に行われるテクノロジーによる判定に慣れていけば、スポーツにおける「人間の判断」と「機械の正確さ」のバランスは、これからも少しずつ変化していくのかもしれません。
一つのイニングごとに。そして、一つの競技ごとに。
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