思いがけない成功――失敗したアイデアが大きな成果に変わるとき Happy Accidents: When Failed Ideas Became Unexpected Successes
今回の記事は「思いがけない成功――失敗したアイデアが大きな成果に変わるとき」という内容です。さていったいどのような内容なのでしょうか。
今回のポッドキャストです。お聴き下さい。
日本語訳
あるアイデアに取り組んでいたはずなのに、結果として、それ以上に優れたものを生み出した――そんな経験はあるでしょうか。
世界中でよく知られている製品の中には、もともとの事業計画にはまったく含まれていなかったものがあります。計画どおりに生まれたのではなく、失敗したプロジェクトや思いがけない発見、あるいは本来とはまったく異なる使い道を見つけたアイデアから生まれたのです。
その代表的な例の一つが3Mです。1968年、科学者のスペンサー・シルバーは新しい接着剤を開発しました。しかし、それは当初目指していたような、物をしっかりと永久に接着するには粘着力が十分ではありませんでした。当初、この発見には明確な商業的な使い道がないように見えました。
ところが数年後、同じ3Mの科学者アート・フライが、この接着剤なら、ページを傷めずにはがすことができ、しかもきちんとその場に留まるしおりを作れることに気づきます。そのアイデアはやがて、3Mを代表する製品の一つである「ポスト・イット」へと発展しました。
もう一つの有名な例が「プレイ・ドー」です。子ども向けの人気玩具になる前、この素材は、すすを落とすための壁紙クリーナーとして販売されていました。しかし、家庭の暖房がより汚れの少ない方式へと移行するにつれ、このクリーナーの需要は減っていきました。
1950年代になると、幼稚園の教師ケイ・ズファルが、この柔らかい素材を子どもたちに使わせてみました。すると、子どもたちはそれを工作や造形遊びに使うことを楽しんだのです。その後、この製品は「Play-Doh」と名前を変え、子ども向け玩具として販売されるようになりました。
Slackは、また少し違った道をたどりました。スチュワート・バターフィールドが率いるスタートアップ企業Tiny Speckは、「Glitch」というオンラインゲームを開発していました。しかし、そのゲームは事業を続けられるほどの支持を集めることができませんでした。
一方、その開発チームは、社員同士が協力して仕事を進めるための社内メッセージシステムを作っていました。ゲームのサービス終了が決まると、会社はそのツールを独立した製品として開発することにしました。それがSlackとなり、広く使われる職場向けコミュニケーション・プラットフォームへと成長し、2021年にはSalesforceに買収されました。
これらの物語には、共通する大切な教訓があります。成功は、最初のアイデアを最初から完璧に形にすることだけから生まれるわけではありません。
思いがけず生まれた価値に気づき、必要に応じて方向転換することから成功につながる場合もあります。ビジネスにおいて、失敗は必ずしも成功の反対ではありません。ときには、失敗こそが成功への最初の一歩になることもあるのです。
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