世界初の原子力時計が登場 World’s First Nuclear Clock on the Way
今回の記事は「世界初の原子力時計が登場」という内容です。さていったいどのような内容なのでしょうか。
今回のポッドキャストです。お聴き下さい。
本日のSentence
It could even be used to test established principles like Einstein’s theories of relativity.
さらには、アインシュタインの相対性理論のような確立された原理を検証するためにも使用されるかもしれない。
ボキャブラリー
Isotope | noun | 同位体、核内に中性子の数が異なる化学元素のバリエーション |
---|---|---|
Accurate | adj | 誤りのない、正確な |
Deviate | verb | 決まった進路や基準から外れる |
Fundamental | adj | 基本的に、本質的に |
Rely on | phrasal verb | 誰かまたは何かに依存する |
日本語訳
世界は今、核時計の開発によって計時の新時代を迎えようとしている。この技術革新を牽引しているのは、コロラド大学ボルダー校の研究者であるチャン・チュアンクン氏とイェ・ジュン氏だ。彼らは、トリウム229という特異な同位体を用いて、世界初の核時計を作り出そうとしている。
クオーツ時計の歴史は長い。その正確性は、一年に数秒の誤差が生じる程度だ。一方で、原子時計は科学研究やGPSなどの技術に利用されており、数百年で1秒のズレしか生じない非常に高い精度を誇る。これらに比べ、現在開発中の核時計は、精度をさらに飛躍的に向上させることが期待されている。『エコノミスト』誌によれば、この時計は現在の標準的な原子時計よりも1000倍も高精度になる可能性があるとのことだ。
では、この核時計はどのように応用されるのだろうか?科学者たちは既存の原子時計を核時計に置き換えるつもりなのだろうか?
最初の問いに答えると、GPSや通信など、正確な時間測定に大きく依存している技術がさらに信頼性の高いものになる可能性がある。また、核時計は、宇宙の基本的な力に起こる微妙な変化を研究するためにも利用されるかもしれない。さらに、未だに解明されていない謎の物質であるダークマターを検出する可能性さえ秘めている。
しかし、科学者たちは原子時計を核時計に置き換えるつもりはない。むしろ、原子時計と核時計という、互いに独立しつつも極めて精度の高い2つの時間測定方法を手に入れることに歓喜している。原子時計は電子の動きを司る電磁力を利用して時間を測定し、一方の核時計は強い核力を基に時間を刻む。
要するに、『ネイチャー』誌に発表されたこの研究は、人類を時間測定を再定義する方向に一歩近づけた。核時計が完成すれば、並外れた精度を提供するだけでなく、物理学の最も大きな謎のいくつかに新たな洞察を与えてくれるかもしれない。さらには、アインシュタインの相対性理論のような確立された原理を検証するためにも使用されるかもしれない。
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