AIが人間を超える：前立腺がんの発見能力 AI Goes Beyond Humans in Detecting Prostate Cancer

今回の記事は「AIが人間を超える：前立腺がんの発見能力」という内容です。さていったいどのような内容なのでしょうか。

今回のポッドキャストです。お聴き下さい。

 本日のSentence

Early detection with AI can hopefully reduce these numbers a lot.

AIによる早期発見で、この数字を大幅に減らすことができると期待されている。

 ボキャブラリー

 日本語訳

AI（人工知能）のニュースにはいつもわくわくさせられる。人間より優れた能力が現れたというものが多いからだ。ヘルスケアにおいては特にそうだ。昨年10月、AIが特定の病気に対する抗体を見つけることにおいて人間より優れていることを紹介した（"Antibodies Beyond Humans" 2023年10月18日号）。そして今、科学者たちは、AIが人間の先を行く、そんな例をまた1つ生み出した。前立腺がんの検出能力だ。

ヘルスケア企業のアベンダ・ヘルス社とUCLAによる研究によると、同社のAIソフトウェア、Unfold AIは84.7％の精度で前立腺がんを発見できるという。人間の医師の発見精度は67.2％に過ぎない。

通常、医師はMRIスキャンで前立腺がんを見つけるが、非常に小さな腫瘍はスキャンに映らない。そこでAIが役に立つ。泌尿器科医のアリ・カスレイアンによれば、AIツールは病理検査、画像診断、生検の結果など、医師が使用するのと同じ情報を使用し、がんの3Dマップを作成する。このマップは、医師ががんに侵された部分を正確に見つけ、前立腺の健康な部分をそのままに保つのに役に立つ。

テストされているAIツールはこれだけではない。ノースイースタン大学の研究者たちは、医師が前立腺がんをより早く見つけるためのウェブベースのAIツールを開発した。イギリスでは、3つの病院が前立腺がんを見つけるためのAI技術をテストしている。ARTICULATE PROと呼ばれるこの研究は、オックスフォード大学と、がん診断のためのAIを扱うPaige社によって行われている。

前立腺がんは男性に最も多いがん（皮膚がんを除く）だ。また、米国において、がんによる死亡数の第2位が前立腺がんだ。ゆえに、こうした開発は非常に重要である。米国がん協会によると、米国では男性の約8人に1人が前立腺がんを患い、44人に1人が前立腺がんで死亡するという。AIによる早期発見で、この数字を大幅に減らすことができると期待されている。