間違っていいのか? Right to Be Wrong?
今回の記事は「間違っていいのか?」という内容です。さていったいどのような内容なのでしょうか。
今回のポッドキャストです。お聴き下さい。
本日のSentence
Another way is to practice "intellectual humility."
もう一つの方法は、「知的謙虚さ」を実践することです。
ボキャブラリー
Acknowledge | verb | 何かが真実であること、あるいは存在することを受け入れる |
---|---|---|
Fast-forward | verb | 時間を素早く進める |
Tendency | noun | 特定の行動をとる可能性;性向、傾向 |
Scrutiny | noun | 精密検査または観察 |
Intellectual Humility | other | 自分の知識の限界を認識し、新しいアイデアを受け入れる能力 |
日本語訳
ミスを犯すのはごく当たり前のことです。大事なのは、間違いに気づき、それを認めて、前に進む能力です。とは言っても、間違いを認めることは簡単ではありません。
歴史を振り返れば、学者や科学者でさえも自分の間違いを認めるのが難しいと感じていたことが伺えます。例えば、地球が宇宙の中心だと信じられていた時代があります。コペルニクスがその考えに反する証拠を出した後でさえ、その信念は長い間変わることはありませんでした。現代にも似たような事例があります。Covid-19パンデミックの初期、専門家たちはウイルスが汚染された表面(*) から広がると考えていました。後に、実際は空気中の微粒子が主な感染源であるとわかったのですが、科学者たちが前の考えを修正するには時間がかかりました。
では、なぜ間違いを認めることは難しいのでしょうか?ノーベル賞受賞者ダニエル・カーネマンによれば、他人の間違いを指摘するほうが、自分の間違いを認めるよりも気が楽だからです。我々は自分自身にしかない視点で物事を見ており、故に、自然と自分自身の考えを好む傾向があるのです。
このようなバイアスを乗り越えるためには、自分の意見に反対する人からでも批評を受け入れることが有用です。こうすることで、自分の考えが正確かどうかを評価する機会が得られ、間違いにも気がつきやすくなります。ニューヨーク・タイムズのコラムニスト、ゼイネップ・トゥフェッキはこの方法を活用して、自身の主張の説得力を評価しているそうです。
もう一つの方法は、「知的謙虚さ」を持つことです。自分の考えに疑問を持ち、自分が何を知っていて何を知らないのかを理解するのです。自分に厳しくなるのは中々難しいかもしれませんが、成長への第一歩です。
ミスが判明するイコール失敗、ではありません。シリコンバレーなどでは、自分の無知を認めることは「知的な誠実さ」だとされています。故に、次にミスを犯したときは、それを認めることが成長へのスタートラインだと思いましょう。
注* 汚染された表面とは、ウイルスに触れたり接触したりしたものであり、潜在的な感染源となる。そのような表面に触れた人が口、鼻、目に触れることで感染する可能性があるが、コビッド-19の感染経路としては空気感染の方がより重要であると考えられていることは注目に値する。
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