オリーブ泥棒 The Olive Thieves

今回の記事は「オリーブ泥棒」という内容です。さていったいどのような内容なのでしょうか。

今回のポッドキャストです。お聴き下さい。

 本日のSentence

So, Homer’s words calling olive oil “liquid gold” are still true today. Instead of stealing gold or jewels, thieves are now making big profits from olive oil.

こうして見ると、ホメロスが何千年も前に言った「液体の金」という言葉は、現在でも当てはまっています。金や宝石ではなく、泥棒たちは今、オリーブオイルで大きな利益を得ているのです。

 ボキャブラリー

 日本語訳

約3000年前、ギリシャの詩人ホメロスはオリーブオイルを「液体の金」と呼びました。同じ頃、哲学者タレスがオリーブを使った最初の「オプション取引」を行ったと伝えられています。それ以来、オリーブはギリシャで特別な存在です。現在、ギリシャはイタリアやスペインと並び、世界三大オリーブ生産国のひとつです。しかし、気候変動の影響でオリーブの収穫量が大きく減少し、その結果、オリーブオイルの価格が大幅に上昇しています。これにより、3国ではオリーブのあらゆる形態の盗難が増加しています。トラックから樽ごと盗まれたり、枝や木そのもの、さらには収穫済みのオリーブまで盗まれることもあります。

オリーブオイルは料理だけでなく、医薬品にも使われるため、とても価値があります。オリーブの収穫量の減少により、最高品質のオリーブオイルは高級ワインと同じくらいの値段になっています。電子機器やブランド品とは違い、オリーブオイルにはシリアル番号がないため、犯罪者によって別の容器に詰め替えられてしまうと追跡が非常に困難です。過去2年間でヨーロッパ全域ではオリーブオイルの盗難が増加しており、アメリカでも一部で発生しています。盗難は小規模なものから大規模なものまでさまざまです。

2023年には、スペイン・アンダルシアの倉庫から、ギャングが5万リットルのオリーブオイル（50万ユーロ以上相当）を盗みました。最近では、ギリシャ・ハルキディキの協同組合から37トンが盗まれ、30万ユーロの損失となりました。ギリシャのメッシニアでも似た事件が報告されています。スペインやイタリアの一部の店では、高級オリーブオイルをガラスケースや鍵付きの棚に入れて保管するようになりました。そうした試行錯誤の裏で、泥棒たちは映画のように、走行中のトラックを襲ってオリーブオイルを奪うこともあります。さらに、『ガーディアン』紙によると、埋葬場所に保管されていたオリーブオイルまで盗まれたこともあるそうです。

こうして見ると、ホメロスが何千年も前に言った「液体の金」という言葉は、現在でも当てはまっています。金や宝石ではなく、泥棒たちは今、オリーブオイルで大きな利益を得ているのです。