帰ってきた車泥棒 Return of the Car Thief

2023年10月16日

今回の記事は「帰ってきた車泥棒」という内容です。さていったいどのような内容なのでしょうか。

今回のポッドキャストです。お聴き下さい。

本日のSentence

Interestingly, other types of crime like murder, burglary, and drug abuse are decreasing.

一方で、殺人や強盗、薬物乱用などの他の犯罪は減少を見せています。

ボキャブラリー

Coincide	verb	他の何かと同時に起こる、または同じ性質を持つ
Surge	verb	突然、非常に強く、しばしば一時的に増加する
Comeback	noun	人気や世間の注目を取り戻すこと
Target	verb	誰かや何かに攻撃を仕掛ける、あるいは何かを成し遂げようと画策する
Exploit	verb	何かを自分の利益のために利用する **多くの場合、非倫理的または不公正に

日本語訳

1950年代から60年代にかけて放送されたテレビドラマ「ペリー・メイスン」は、最高の法廷ドラマと題されることもしばしばです。1966年のある回では、10代の青少年たちが車を盗難する内容が放送され、まさに、アメリカにおいて車の盗難がピークに達した同年の情勢を描き出していました。1991年以降、車盗難は減少傾向にあったものの、最近ではアメリカをはじめとし、世界各地で急増しています。

刑事司法評議会の報告によれば、2023年の上半期における車盗難は、前年同期に比べて34%増加し、2019年と比較するとなんと104%も増加しています。一方で、殺人や強盗、薬物乱用などの他の犯罪は減少を見せています。

では、なぜこのような「昔の」犯罪が再び増加しているのでしょうか？

フォーブス誌によると、2021～2022年の車泥棒は、ホンダ・アコードやトヨタ・カムリ、フォード・F-150など、古いが人気のある車種を狙って犯行に及んでいました。これらの車は「チョップショップ」と呼ばれる違法修理工場に運ばれ、部品が取り外され、取り外された部品はオンラインで販売されることが主です。場合によっては、車が駐車されている場所で部品が盗まれることもあります。

専門家たちは、技術が進化したことが一因だと指摘しています。現代の車泥棒はテクノロジーに精通しており、電子機器を使ってキーなしで車を始動させることができます。シカゴやアトランタでKIAやヒュンダイの車が次々と盗まれる事件が発生した時、車の所有者らは「簡単に盗難できる車」を製造したとしてメーカーを訴えたのです。5月、車の所有者らは2億ドルの和解金を勝ち取りました。

しかし、希望もあります。倫理的ハッカー、または「ホワイトハットハッカー」と呼ばれるハッカーらが、セキュリティの穴を見つけて修正する作業を行っています。例えば、フランスのサイバーセキュリティ企業Synacktivは、テスラのエンターテイメントシステムが悪用されて、遠隔でドアを開けたり、キーが手元に無い状態でエンジンを切ったりできてしまう事実を示しました。

自動車メーカーはこういった技術進歩（悪用されている進歩と有用されている進歩の両方）を敏感にキャッチし、現代の車泥棒に対抗するための対策を考えるべきです。