英語力と世界のトレンドを同時にキャッチ!!

  マットBlog

Outliers by Malcolm Gladwell

海外の書店のビジネスコーナーの売れ筋の本を調べていたら、少し前に読んだ Outlier という本が紹介されていた。既に翻訳されているかもしれないが、この本は確かに面白かった記憶がある。 "Outlier"統計から外れた、いわゆる異常値を示す言葉がタイトルとして付けられていた。 本書は、天才と呼ばれる人や一流の人々が何故そのようになれたのかということを極めて冷静に検証している。 ビル・ゲイツが少年時代からパソコンにどれだけ没頭していたのか。 ビートルズの演奏レベルは決して高くなかったが、連日の演奏活動により格段に技術をあげたこと。 とにかく、10,000時間のルールなるものがあるらしく、一流の演奏家などは例外なくこの膨大な時間を研鑽にあてていたとデータから導き出していた。 特に興味深かった事例として、カナダのホッケーリーグの話があった。 リーグで一流の選手は皆同じ学年の中では誕生月が偏っているというのである。 日本の場合で考えるとこういうことになると思う。 4月から3月生まれの子供たちが1学年を構成する。 そうなるとおのずと4月から6月生まれの子供たちの発育が翌年の1月、3月生まれの子供よりも 早く、その数か月の差がとても大きなものになるという理屈である。 ホッケーのリーグも同様に学年の早い誕生月の子供がトップレベルのリーグの中心選手になっているのは偶然ではないとしている。 最近は、「〇〇時間で完璧!〇〇学習法」のようなキャッチの教材が多く見られるが、やはり100時間、1000時間、10,000時間とじっくり時間をかけることの大切さをこの本は教えている。 そういえば、もう絶版になってると思うが、将棋連盟会長の米長邦雄氏の名著「人間における勝負の研究」にこんな一節があった。 「試験であれ、芸の道であれ、青春時代に合計5~6,000時間集中的に努力を持続した者が、一応認められるというのが、世の中というものではないでしょうか。」 ちなみに米長先生は「私の場合、中学から高校までの六年間、毎日五時間ほど将棋の勉強をしましたので、延べ約1万時間になります。(中略)私の場合は、必死でした。」 やはり1万時間説を裏付けている。 本講座も、毎日の積み重ねてこそ力がついてくる、地道な努力を必要とするラーニングプログラムと言える。