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Business English Proも11年目、ポッドキャストも2年経過

その昔、まだDow Jonesというメディアに身を置いていた頃に、同社が発刊しているThe Wall Street Journalという新聞を活用して三井物産とオレゴン大学の先生とともに作り上げたプログラムが今、Business English Proに至るのです。 そして、これももう11年経過し12年目に突入。干支で言えば一巡したことになりますね。top_cover_guys 実は、このプログラムを何故作りたかったのかということを、ここでもう一度、原点に戻るつもりでこのブログに書いておきたいと思います。 ここから書く事は、誇張もなく当時の気持ちを素直に表現しようと思います。 2001年だったと記憶していますが、Dow Jones社の営業会議が上海で行われました。欧米の拠点はもちろん、アジアからもシンガポール、香港のメンバーが参加。 もちろん東京チームも参加していました。1週間の会議では、いくつも戦略に関するプレゼンや各地域からの発表が繰り広げられて、それに対する質疑応答もかなり激しいものでした。 缶詰状態の1週間が終わってふと気づいたことがありました。 実は、このコンファレンスはずっと地域毎に一つのテーブルにまとまっての会議だったのです。 1週間の中で、ずーと静かでほぼ質問も意見も出なかったテーブルが一つだけあったのです。 同じアジアでもシンガポールや香港のメンバーは我先に、と発言をしていました。 さて、その1つのテーブルとはどこの国のメンバーだったのでしょう? 皆さんのご想像の通り、それは日本チームでした。 ホテルの会議室のテーブルを見つめて思いました。 『これは・・・・世界の中で日本の存在や発言力の縮図なのでは?』 もちろん、英語力だけが原因ではないかもしれません。 しかし、英語力はその大きな要因のひとつであったことは間違いないのです。 今、日本のビジネス社会を見渡すと、ほぼ100%の人が日本経済新聞、もしくはそれに準ずる新聞・雑誌を読んでいます。 何故でしょう? きっと二つくらいの理由に集約されるのでしょう。 社会で何が起きているのか、特に企業やサービスの動きは一応押させておきたい。 ビジネス特有の言葉、特に最近ではITの凄まじい発達で用語が日々増えている。 我々は日本語は話せます。 でも、中学生と社会人では日本語での会話は出来ますが、社会人としての会話は中学生とは出来ない。 また、異業種の方々との会話も、ビジネス誌に目を通しているのといないのとでは、理解度が全く違います。 母国語でもこうしたことが起きています。 ましてや、外国語では中学生レベルの英語が話せれば、それはもうネイティブスピーカーと言えます。CA380004 既存の英会話学校やSkypeなどの英会話スクールで、真剣に修練を積めば間違いなく中学レベルの英会話の力はつきます。 しかし、問題なのは「どう話すか」ではなく「何を話すのか」ということなのです。 当時、英語とりわけ「ビジネス英語」は、日本のビジネスマンも、海外のビジネスパーソンも必ずビジネス誌を読んでいる。それではじめてビジネスという土俵での話ができる。たとえたどたどしい英語であっても、内容がある話をする者にビジネスパーソンは耳を傾け、深く頷くのです。 反対に、流暢なのに内容がない人には、「あなた、英語上手いね!どこで習ったの?」とお世辞を言う程度にとどめるのでしょう。 長くなってしまいましたが、Business English Proをスタートした動機は 日本のビジネスマンが、内容のある話題、話を堂々と世界のビジネスパーソンと語り合える、時に議論しあえる姿を見たいとの思いからでした。 Japan Timesや海外のメディアを最初から読めばよいのですが、さすがにハードルが高く、まして人間の性なのでしょうか、『せっかく、購読しているのだから一つでも多くの記事を読まなければ』と思います。しかし、どの記事を読んでいいのかわからない。 結局、英字新聞や雑誌はどんどん重ねられることになってしまいます。 Business English Proは、一日一本だけのトピックに絞って4つのレベルに書き直しています。 『これだけ?』『一日、一本だけですか?』と思われるでしょう。 しかし、継続を考えると1日1本、とにかく読み続ける、聞き続けることが英語を歯磨きの習慣と同等のレベルまでもっていく最善の策だと信じています。 12年目に入るこのプログラムですが、驚くことに12年間ずっと購読している方がいらっしゃいます。 単に購読料金をお支払頂いているだけではないのです。毎日、それも一本の記事のみを丁寧に学習されているのです。 7年目の時に一度、ご職業を伺ったことがありました。この方はプロの翻訳家の方でした。 そして継続されている理由は「自分の英語力を落としたくないから」との答えが返ってきました。 それをお聞きした時に、『この方は、英語を読むプロセスを生活の中で歯を磨くことと同じところまで引き上げているのだな・・・』と感じた次第です。 昨今、資格試験や検定試験で短期的にスコアアップだけを目的にIntensive Courseのようなものが流行っている傾向があります。 それも理解できます。期限内にスコアを一定レベルまで上げないと昇進ができない、減給対象になる、となれば誰でも必死ですよね。 しかし、そうしたコースで目標スコアを達成した暁には、今度は是非本物の実力をつけるべく、じっくり腰を据えて英語に取り組んでみるのも良いかもしれません。当然、そこまで引き上げた英語力をBrush upし続けながらということになります。 私たちは、決して華やかに新聞の一面を飾るような広告を出したりすることなく、静かに当初の目的を忘れずに、日々トピックを選び教材をお届けしています。11年間定休を除くと一日も欠かさずに制作してきました。 そして、先にご紹介したような方々が毎日一本取り組んでいらっしゃる。 12年目に入った今、改めてこのプログラム作成に至った「原点」を思い返し、次の10年、12年に向けてシステム的にも改善しながら前に進んでいきたいと思います。 また、このプログラムのファンともいうべき受講者の皆様には、深く感謝申し上げます。 ほぼ毎日制作することは大変な労力なのですが、それを支えて下さっているのは長きにわたり受講続けて頂いている皆様なのです。 これからも頑張りますので、引き続き宜しくお願い致します。