注文していた書籍が届いた。
①「日本経済の闇がわかる F.Tの読み方」 藤原直哉著
②Style Guide "The Bestselling Guide to English Usage
FTの読み方についての本はもう10年近く前に出版された本で今は絶版になっていると思います。ただ、著者が指摘している内容が興味深かったので取り寄せてみました。 この本のサブタイトルに「この経済英語と情報力で自分を守れ」と書かれています。更に表紙には以下の著者のメッセージが記されていました。「日本の経済情勢は、いよいよ敗戦直前の昭和20年8月を迎えるような雰囲気になってきた。からの姿を見ていると、もうこれ以上対策もないし、言い訳もできない、前にも進めず後ろにも退けずという切迫した心境がひしひしと伝わってくる。そして私がそのような日本経済の実態情報を入手する際に大変に重宝しているのが、イギリスの経済紙「ファイナンシャル・タイムズ」(FT)なのである。FTには当の日本人も知らないような日本情報がたびたび掲載される。たとえば日本の不良債権の実態なども実に詳しく、世界中の投資家達はFTの目を通して日本の現状を判断している。それらを見ると、まさに知らぬは日本人ばかりなりという気がしてくる」
この本の前半は、日本経済新聞、米国のウォール・ストリート・ジャーナルと英国のフィナンシャル・タイムズを比較しているところが興味深いのです。私からみるとWSJもFTも大差はないように見えるのですが、著者は明らかにアメリカに軸足を置いた記事を書くWSJと英国でありながら世界に軸足を置いたFTとでは、全くスタンスが違う、というのです。日本経済新聞に至っては「インサイダー情報紙にすぎない」とまで言っているのです。確かに、企業のPR担当者のテクニックとして、恣意的にプレスリリースとして正式発表する前に、日本経済新聞の記者をよんでリークとして記事ネタを提供するという手法がかつては見られました(現在もあるのかどうかは不明)。 これにより日経新聞に載った記事はPR効果にも繋がるわけです。その辺りを著者は指しているのだと思います。
この本の後半では、実際にFT紙をどう攻略するかというTipsが書かれています。 最初の項は「FTを読んで頭の中に情報の網を張る」というもの。
そして次の項にはこうあります。「第一歩は見出しを読んで考えること」 つまりこのスタッフブログでも度々ご紹介してきた[Business English Pro]の学習プログラムでも【まずは、見出しを読んで記事の中身を予想する】というLooking Aheadでの訓練の重要性を説いています。
もう一冊のStyle GuideはThe Economist誌のEnglish Usageつまり用語集なのです。この本はエコノミスト誌の記者がどのようなガイドラインで記事を書いているのか、1本1本の記事の精度がなぜあれほどまで高いのかこのスタイルガイドを読むと納得できます。 冒頭には
Readers are primarily interested in what you are saying. The way you say it may encourage them either to read on or to give up. If you want them to read on, then: つまり読者は興味があるから記事を読むので「君がどのように書くのか、その方法によっては読者に(記事を)【読む】か【やめる】かのいずれかの選択を迫るようなもの」「では君が彼ら(読者)に読み続けて欲しいとしたら・・・・から始まって、とうとうと文章スタイルにおけるルールが書いてあるのです。 内容については、別の機会にご紹介したいと思います。