このところ、勉強会などに参加する機会が増えて色々な方の英語を耳にすることが多くなりました。
今日は、会話に限ってのお話になりますが、英会話が上手い人はえてして多弁な方が多いのではないでしょうか。
とにかく話す、また話す。欧米の人々が全てそうではないのでしょうが、彼らの会話はAさんが話し終えて、次にBさんが話すというキャッチボールでセリフのように話すことは希で、むしろ相手が話しているのに自分が話し始めるというケース。その最たるものは、3人以上でバーなどでの会話。極論するとその瞬間3人がそれぞれ自分の話をしている場合もあるくらい。それ程彼らの多くはよく話しますね。
一方、我々日本人はどちらかというと彼らが話をしているの頷きながら聞いている方が圧倒的に多いように思います。彼らが70%話している感覚です。しかし、同じ日本人でもえてして英会話が上手い人はその中でもよくしゃべる方が多い。これは単なる偶然ではないような気がします。
それから、短い文章でも(仮に文としてまとまってなくとも)ボクシングのジャブのようにどんどん繰り出す人もいます。会話の余白つまり沈黙をなるべく作らないようにする人も会話上手なのではと思ってしまいます。彼らに共通していることは、基本の文型といいますか、会話のパターンを既にいくつか持っているということです。短い文章でもたいていの事は、英語に置き換えられるようそのパターンを身につけているわけです。
でも、更に一枚上手と思えるような、つまり『う~ん。英語上手いなぁ~』と思わせる人々は会話の中で文章を瞬時に名詞化、副詞化にして複雑な内容を単文に圧縮して展開できる人たちです。
どんなものかと言いますと、例えば
You met him on that day. あなたはその日彼に会った。
この文章をthe day you met him 「彼に会った日」という名詞化を試みるわけです。
そして、彼に会った日(その日は)私の母の誕生日でした、という複数の内容を持つ文章を以下のように作ることができます。
The day you met him was my mother's birthday.
これをYou met him on that day. It was my mother's birthday. と二つの文章に分けて話すことも良いのでしょうが上のように一文にして話されると、もう少しスマートな印象を受けます。
We have avoided the most sensitive issue by not telling her the true story of her son.
これは副詞化の例ですが、これなども
We didn't tell her the true story of her son. We have avoided the most sensitive issue in this way.
二つの文章よりもOne sentence の方がすっきりしますし、口頭でこうした構文をよどみなく話す事ができると「お!一枚上手の使い手!」ということになるのではないでしょうか。