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グローバルコミュニケーションの重要性

ある英語雑誌の取材の関係でお知り合いになれた神戸学院大学の中西先生に、WSQサイトに掲題の「グローバルコミュニケーションの重要性」で先生のお考えを書いて頂きました。 我々もBrannenグループの協力を得て、Global Effectivenessというソリューションを提供し初めて一年が経過。その根底にはるのは「英語の習得だけでは、国際社会では通用しない」「グローバル・コミュニケーションの何たるかを知らなければ、ビジネスとして大きな落とし穴に落ちる危険がある」というものです。 さて、中西先生にお書き頂いた文章から以下の部分をご紹介したいと思います。

 数週間や数カ月という短い期間外国で過ごした人の中には、自分が元々誰だったのかを忘れてその国の人になってしまったような気分で帰ってくる人が見られます。特に観光や留学などで「お客様」として迎え入れられた人に起こりやすい現象のようです。ミス・コミュニケーションが起こっても、大事なお客様ですから許してもらっているうちに、その文化が自分にとって過ごしやすい、優れた文化のように錯覚してしまうのかもしれません。  また、リスガード (Lysgaard)という研究者が1955年に提起した「異文化適応の段階」という理論によると、人は異文化に接した直後には「初期ショック」を受けますが、何とかしてその文化に適応しようとする「ハネムーン期」、自分が置かれた環境に対するストレスを抱える「移行期ショック」を経て異文化適応の安定期を迎える、とされています。これらの段階のうち「ハネムーン期」の真っ最中に帰国すると、自分の個性を育んできた文化よりも、滞在先の文化の方が優れていると思い込んでしまうとも考えられます。Brannen

 「郷に入っては郷に従え」と言いますが、自分がこれまでに培ってきたアイデンティティを壊さなければならない、ということではありません。真の国際人とは、自分を殺して人のモノマネをする人ではなく、文化の違いが原因で何らかのミス・コミュニケーションが生じた時に、「私が慣れ親しんできた文化ではこうすることが当然と見なされていたのであって、決して悪気があってしたことではない」ということを誠実に伝えた上で、折り合いをつけられる人です。違いは違いとして認め、自分の立ち位置を自覚していることが重要ですが、「どちらが優れている」というものでは決してない、ということを忘れないでいてください。

「ハネムーン期」なるものが存在するのは、知りませんでしたが、確かに指摘されている通り中途半端な時間を外国で過ごすとそのような錯覚に陥ることはあるかもしれません。 郷に入れば・・・これは重要なことですし、外国で仕事をする際には、ある程度自分の持っているカルチャーなりバックグラウンドをアジャストしてその国のものに適応しなければなりません。ただし、Brannen女史が提唱するところでは、「決して自分を失くして相手に迎合してはいけない、単にアジャストするだけ」ということです。自身のバックグラウンドをきちんと持った上で、相手国のビジネス慣習などを知り仕事を前に進めていくことが大事だということです。

我々が提供するGlobal Effectivenessはまだ一部の管理職の受講にとどまっていますが、いずれは多くの海外で活躍する(すべき)ビジネス・パーソンにも必要となるスキルであることは間違いありません。

欧米企業が日本でビジネスを行う前には、相当日本人、日本の文化、ビジネス慣習を研究し、対策を練ります。 反対に日本の企業がアジアなど海外で進出する際には簡単な準備だけで終わらせる場合が多いようです。どこかに日本方式が一番であるという自負の念があるのでしょう。 自負・自信を持つ事は大切なことだと思います。しかし、仕事は常に相手があることですので、孫子の兵法にある「敵を知り相手を知れば百戦危うからず」言葉通り相手を知ること、それがグローバル・コミュニケーションの原点なのです。