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フェロー諸島――観光客として訪れ、島を守る人として帰る The Faroe Islands: Come as a Tourist, Leave as a Caretaker

今回の記事は「フェロー諸島――観光客として訪れ、島を守る人として帰る」という内容です。さていったいどのような内容なのでしょうか。

今回のポッドキャストです。お聴き下さい。

 日本語訳

もし、ある観光地から「訪れることはできます。ただし、その前にこの場所を守る手伝いをしてください」と言われたら、どう思うでしょうか。

アイスランドとノルウェーの間に位置し、デンマーク王国を構成する自治地域であるフェロー諸島は、まさにそのような取り組みを行っています。それが、世界でも非常に珍しい観光キャンペーンの一つ、「Closed for Maintenance, Open for Voluntourism(保全作業のため一時閉鎖、ボランティア観光には開放)」です。

2019年に始まったこの取り組みでは、島内でも特に人気の高い自然観光地の一部を一時的に一般の観光客には閉鎖し、その代わりに少人数の海外ボランティアを招き、地元住民と一緒に保全作業を行ってもらいます。

参加者は、ハイキングコースの修復や案内標識の設置、傷つきやすい自然環境の保護などを手伝います。その見返りとして、宿泊場所と食事が提供されるほか、一般的な観光旅行では味わえない形で島を体験する機会を得ることができます。

この発想は、必要に迫られて生まれたものでした。

人口が5万5,000人余りのフェロー諸島には、現在、年間10万人を大きく上回る観光客が訪れています。観光客が急速に増えるにつれ、人気のハイキングコースや環境的に繊細な自然地域では、地面の浸食や損傷が目立つようになりました。また、地域社会でも、インフラや住民の日常生活に対する負担が増していきました。

そこで当局は、単に観光客の数を制限するのではなく、別の問いを投げかけました。

「観光客自身に、問題を解決する側に加わってもらえないだろうか」

この戦略は、大きな成功を収めています。毎年、限られた数のボランティア枠に対して数千人が応募し、このプログラムは、通常の観光広告では得られないほど大きな国際的メディアの注目を集めました。

さらに重要なのは、ボランティアたちが島の各地で数十件に及ぶ自然保全プロジェクトを完成させてきたことです。活動内容は、ハイキングコースの再整備や道案内標識の設置から、観光地へのアクセス改善、自然環境の修復まで多岐にわたります。

このプログラムは高く評価され、毎年行われる恒例行事となりました。その成功は、持続可能性への取り組みそのものが、観光地にとって強力なブランドになり得ることを示しています。

フェロー諸島は、観光そのものを抑制しようとしているわけではありません。観光産業は地域のGDPのおよそ6%を占めており、観光客は今も地域経済にとって重要な存在です。

島々が求めているのは、これまでとは異なるタイプの旅行者です。地元の企業や店を支え、自分が訪れたときよりも良い状態にして、その土地を後にするような旅行者です。

オーバーツーリズムが世界各地の観光地に深刻な課題をもたらすなか、フェロー諸島の取り組みは、私たちに重要な教訓を示しています。

持続可能な観光とは、単に観光客の数を減らすことではありません。旅行者と訪問先との間に、一方的ではない、互いに支え合う関係を築くことでもあるのです。

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