ノーベル2025:国境を越えた輝き Brilliance Beyond Boundaries: Nobel 2025
今回の記事は「ノーベル2025:国境を越えた輝き」という内容です。さていったいどのような内容なのでしょうか。
今回のポッドキャストです。お聴き下さい。
本日のSentence
This year, which is the International Year of Quantum Science and Technology, the Nobel Prize in Physics went to John Clarke, Michel H. Devoret, and John M. Martinis, all working at American universities.
2025年は「国際量子科学技術年」にあたります。物理学賞は、米国の大学に所属するジョン・クラーク、ミシェル・H・ドゥヴォレ、ジョン・M・マルティニスの3人に授与されました。
ボキャブラリー
| Foundation | noun | 何かの根底にある基盤や原理 |
|---|---|---|
| Drive | verb | 何かが起こったり発展したりする原因となったり、動機付けをしたりする |
| Inspiring | adj | 希望に満ちた、または勇気づけられるような気持ちにさせる |
| Excitedly | adv | とても熱心で熱心で |
| Stand up for | phrasal verb | 人、考え、または原則を擁護または支持する |
日本語訳
毎年10月、世界中の人々がノーベル賞の発表を心待ちにします。歴史を変える発想や行動を示した人々に贈られる賞です。今年も例外ではありませんでした。今年の6部門の受賞者たちは、科学を前進させ、人間の身体の理解を深め、文学で人々を励まし、新しい化学を発見し、有用な道具を発明し、そして平和のために立ち上がりました
2025年は「国際量子科学技術年」にあたります。物理学賞は、米国の大学に所属するジョン・クラーク、ミシェル・H・ドゥヴォレ、ジョン・M・マルティニスの3人に授与されました。彼らは1980年代に電気回路の研究を通じて、現代の量子コンピューターや安全な通信技術の基礎を築きました。これらの技術は将来、多くの産業を一変させる可能性があります。
経済学賞は、アメリカとイスラエルのジョエル・モキル、フランスのフィリップ・アギオン、カナダのピーター・ハウィットに授与されました。彼らの研究は、革新が長期的な経済成長をどのように支えるかを示しています。アギオンとハウィットの「創造的破壊」という考え方は、新しい発明が古い仕組みを置き換える過程を説明し、モキルは社会が持続的に発展し続ける条件を探究しました。
文学賞は、ハンガリーの作家ラースロー・クルズナホルカイに授与されました。暗く困難な状況の中にも希望と意味を見出す力強い作品として評価されました。
化学賞は、日本の北川進、オーストラリアのリチャード・ロブソン、ヨルダンとアメリカにゆかりのあるオマール・ヤギーの3人に授与されました。彼らは、水の浄化や大気中の二酸化炭素の回収に役立つ「金属有機構造体(MOF)」という新しい物質を開発しました。
医学賞は、アメリカのメアリー・ブルンコウとフレッド・ラムズデル、そして日本の坂口志文に授与されました。彼らは、体が自らを攻撃しないように制御する特別な免疫細胞を発見しました。
最後に、世界中から注目を集めたのが平和賞です。戦争を減らす努力をしたとしてドナルド・トランプ大統領の受賞を予想していた人も多くいました。しかし、実際に選ばれたのはベネズエラの野党指導者マリア・コリナ・マチャドでした。彼女は民主主義を守り、公正な選挙を求めて戦う勇気が評価されました。対立が増える今の世界で、彼女の姿勢は強い希望の象徴となりました。
受賞者それぞれの歩みは異なりますが、共通して私たちに思い出させてくれるのは――人類の進歩は、みんなで築いていく旅なのだということです。
【テーマ】Brilliance Beyond Boundaries: Nobel 2025 / ノーベル2025:国境を越えた輝き
【コメント一覧】
Let’s organize the definitions and influences of each Nobel Prize.
(日本語訳:各ノーベル賞の定義と影響を整理しましょう。)
Physics Prize:
The prize was awarded to three scientists — John Clarke, Michel H. Devoret, and John M. Martinis — who laid the foundation for modern quantum technologies.
(日本語訳:現代の量子技術の礎を築いた John Clarke、Michel H. Devoret、John M. Martinis の3名に授与されました。)
Their research on superconducting circuits is considered revolutionary and has major implications for cryptographic communications, AI, drug discovery, and financial simulations.
(日本語訳:超伝導回路に関する彼らの研究は画期的で、暗号通信、AI、創薬、金融シミュレーションに大きな影響を与えます。)
Economics Prize:
Joel Mokyr, Philippe Aghion, and Peter Howitt received the award for their studies on innovation and economic growth.
(日本語訳:Joel Mokyr、Philippe Aghion、Peter Howitt が、イノベーションと経済成長に関する研究で受賞しました。)
Their work demonstrates how long-term economic development is driven by knowledge and technological innovation, emphasizing the concept of creative destruction.
(日本語訳:彼らの研究は、長期的な経済発展が知識と技術革新によって牽引されることを示し、創造的破壊の概念を強調しています。)
Chemistry Prize:
Susumu Kitagawa, Richard Robson, and Omar Yaghi were recognized for their development of metal-organic frameworks (MOFs).
(日本語訳:北川進、Richard Robson、Omar Yaghi が金属有機構造体(MOF)の開発で評価されました。)
Their work marked a shift toward sustainable materials science and offers solutions to environmental challenges such as water purification and carbon dioxide capture.
(日本語訳:彼らの業績は持続可能な材料科学への転換点となり、浄水や二酸化炭素回収などの環境課題への解決策を提供します。)
Medicine Prize:
Mary Brunkow, Fred Ramsdell, and Shimon Sakaguchi were honored for their discovery of regulatory T cells (Treg cells).
(日本語訳:Mary Brunkow、Fred Ramsdell、坂口志文が制御性T細胞(Treg細胞)の発見で顕彰されました。)
Their findings deepened our understanding of how the immune system controls itself and prevents autoimmune diseases.
(日本語訳:免疫系が自己を制御し自己免疫疾患を防ぐ仕組みの理解を深めました。)
Literature Prize:
Hungarian writer László Krasznahorkai was awarded for his works that reveal the power of human hope even in the midst of hardship and uncertainty in modern society.
(日本語訳:ハンガリーの作家 László Krasznahorkai は、現代社会の困難と不確実性の中でも人間の希望の力を描いた業績により受賞しました。)
Peace Prize:
María Corina Machado from Venezuela was recognized for her courageous fight for democracy and free elections.
(日本語訳:ベネズエラの María Corina Machado は、民主主義と自由選挙のための勇気ある闘いにより評価されました。)
Her actions symbolize hope and resilience in a world facing increasing political division.
(日本語訳:彼女の行動は、政治的分断が深まる世界における希望とレジリエンスの象徴です。)
Conclusion:
Through the 2025 Nobel Prizes, we can see that human progress is not only driven by technology but also by ethics, hope, and solidarity.
(日本語訳:2025年のノーベル賞を通じて、前進は技術だけでなく倫理・希望・連帯によっても支えられていることが分かります。)
世の中にはたくさんの賞があります。権威にかかわらず受賞は多くの人にとってうれしいものですね。なぜ賞を設けるのか?モチベーションだったり、社会的承認や肩書、分野の方向性を示す、その分野等を盛り上げる、販促、いろいろあるかと思います。snsはその末端なのかもしれない。フォロー数という肩書もでてきた。先日、長嶋茂雄賞ができたようですね。人命を冠した賞に入れ替わりは起こるのか、増える一方なのか、辞める決断を特定の誰かがするのは難しそうです。
m-sanの雑感に近い感覚があります。物理、化学、医学、経済学が「線」として、過去現在から未来につながって、さらに「面」や「立体」へと発展していくようなもの。平和、文学は「点」で終わりがちなもの。マチャドさんがロールモデルに「イギリスのサッチャー首相」を挙げられてますが、ノーベル賞という観点では別でしょうし。11/6のiPS細胞のトピック、マット説法パートの山中伸弥さんの「1%の積み重ね」「大事なのはあきらめないこと」を聴き直して噛み締めて、一歩ずつ前進していこうと。
I predict that Nobel prize in 2026 highlights whether Donald Trump would suit a receiver of it.
(日本語訳:2026年のノーベル賞では、ドナルド・トランプ氏が受賞にふさわしいかどうかが焦点になると予想します。)
Honestly speaking, I don’t like him. But in fact, he plays a big role to stop some conflicts.
(日本語訳:正直、私は彼が好きではありません。しかし実際には、いくつかの紛争を止める上で大きな役割を果たしていると思います。)
雑感です。ノーベル賞は平和賞、文学賞を除けば、その成果が次の研究・成果に繋がり、今の社会に対し大きな貢献をなしている過去の成果に贈られるのに対し、ことノーベル賞は、その時において平和の構築、差別の撤廃などの貢献者に贈られますが、なかなか継続性的な積み上げになりにくいですね。1991年 ミャンマー;アウンサンスウ―チー氏、1994年 オスロ合意(アラファト議長、イスラエル・ラビン首相・ペレス外相)、2009年:核廃絶の方向性?(オバマ大統領)など。いずれもその後、時計が逆戻りしています。科学技術とは違い、それだけ難しいということかもしれませんが。
ノーベル賞は世の中を変える研究の素晴らしい成果のあった方々が受賞されていますね。今年は特に平和賞の注目が高かったですね。マリア・コリナ・マチャド氏は、自らの信念を貫き象徴的な平和賞でしたね。手段を選ばず政治的な圧力を使い、戦争を減らす努力をしたと公言すれば平和賞の受賞が叶うのだとすると、ノーベル賞の魅力がなくなってしまうと思います。50年間後に公開されるノーベル賞の選考過程で、今年トランプ氏が受賞に至らなかった過程が明らかになるのでしょうね。今日はRocksaltさんの楽曲堪能しました!
毎年この話題が記事になると、受賞した皆様の功績に感服するとともに自分自身は何をしたかと考えさせられます。先日の記事にS.M.A.R.Tが紹介されました(否定的ではありません)が、その積み重ねで辿り着けるところなのかな?と思うのと同時に大谷選手のエピソードからすると突き詰めると行ける?のかとぐるぐる廻ってしまう思考は凡人のそれなのでしょうね。ただ、努力だけは自分にも出来ると思いますので、ベストは尽くしたいと改めて思いました。
ノーベル賞は1901年にスタートして、今年で125回目になるんですね。ChatGPTに聞いてみると、2024年末時点で受賞者数(個人・団体)は1026件で、アメリカが約423件、イギリス約143件、ドイツ約115件、フランス約76件、日本は約31件だそうです。やはり欧米の受賞者が圧倒的に多いですね。
なぜ受賞者が欧米に多いのか:
1)歴史的背景(近代科学の基盤が欧米)/2)研究資金・制度(戦後の巨額投資と制度整備)/3)言語(英語優位)/4)選考構造(欧州中心の学術文化圏)/5)人材の集中と流入(留学・移住)/6)研究文化(個人の独創性重視と評価の相性)。
確かに日本人受賞者の多くも欧米留学経験があり、研究資金・環境の差は大きい。資源のない日本こそ教育や研究に投資して国力を高めてほしい、との所感です。
ノーベル受賞者に共通するのは、信念を曲げず逆境に立ち向かう強さ。外野の誘惑や非難、失敗があっても諦めず「私は私」であるという姿勢が共感を呼び、「who cares」の精神の極みだと思います。1日24時間は皆同じ。日々を“丁寧”に生きることを心がけます。
This year’s Peace Prize is no exception; I am truly impressed by how discerning the selection committee is. While the achievements are noteworthy, I am equally struck by how this prize maintains its authority while selecting its recipients.
(日本語訳:今年の平和賞も例外ではなく、選考委員会の見識の高さに深く感銘を受けました。受賞者の功績はもちろん注目に値しますが、同時に、この賞が受賞者を選ぶ過程でいかに権威を保ち続けているかにも強く心を動かされました。)
ISSの科学的貢献や、国連の実効性への疑問、WHOによる天然痘撲滅、第一次世界大戦のクリスマス休戦のエピソード等から、「国際的イベントや組織・制度は実効性に疑問が残っても象徴として世界に貢献し、その象徴的価値が実務的な価値も生み出していく」と予想しました。ノーベル賞が権威を保ち続けていることにも改めて感銘。オリンピック等を含め、象徴となるものを大切に維持していくことが世俗的価値の創出にもつながると感じました。
ベネズエラのマチャドさんの受賞に心を打たれました。世界一周で見聞きした南米の葛藤や状況を思い出します。日本からは遠くニュースにもなりにくいですが、世界には不便やおかしなことが多くあります。それに気づく人もいれば受け入れる人もいる。個人的には組織の上が変わって悪化したと感じる出来事もありました(逆に日本の政府は上が変わって不正が明るみに出た分、良い方向に働いているのでは…とも)。声を上げる/上げないで心砕かれたり、長く働ける方法を模索する日々ですが、マチャドさんの一片に元気をもらい、愚直に過ごしていきたいです。
【補足】
カテゴリ振り分けは、内容の主眼に基づき「未来予測=青」「批評=赤」「補足情報=緑」で付与しています。異なるテーマは見当たらなかったため、本テーマ内で整理しました。
ポッドキャストの続きは
で!
月額1,000円〜 スマホで手軽に始めるビジネス英語学習
「マット竹内の1日5分ビジネス英語」ポッドキャストの英文記事スクリプトは、WISDOM SQUARE で提供のサービス 1日10分ビジネス英語 で配信されています。
1日10分ビジネス英語なら、ポッドキャストの英文記事スクリプトに加えて、内容理解クイズ、クイズランキングなどのコンテンツも充実しているので、ポッドキャストの内容の理解がさらに深まると同時に楽しく英語学習を進めていただくことができます。ポッドキャストから1歩進んだ英語学習をしたい方におすすめです。
1日10分ビジネス英語はスマートフォンでご利用いただけます。初回1ヶ月は無料でお試しが可能です!※1
是非この機会に1日10分ビジネス英語 をお試し下さい。
今すぐ無料お試しを申し込む※1 初めてご利用の方、1回限りとなります。
