欧州の「エンジン」が再び「病人」に? Will Europe’s “Engine” Become “Sick Man” Once Again?
今回の記事は「欧州の「エンジン」が再び「病人」に?」という内容です。さていったいどのような内容なのでしょうか。
今回のポッドキャストです。お聴き下さい。
本日のSentence
Even Deutsche Bank's CEO has warned that Germany needs to reinvent itself, or it will become the sick man of Europe.
ドイツ銀行のCEOも、改革が必要で、そうでなければ「ヨーロッパの病人」となると警告しています。
ボキャブラリー
Powerhouse | noun | 大きな影響力や権力を持つ人、組織、国 |
---|---|---|
Roller-coaster | noun | 突発的で予期せぬ変化の多い状況や経験 |
Bounce Back | phrasal verb | 困難な状況から素早く立ち直る |
Cope | verb | 困難なことに効果的に対処する |
Grapple | verb | 問題や課題と格闘する |
日本語訳
「ヨーロッパの病人」という言葉は、これまで、フランス、ドイツ、イタリア、イギリスが経済的苦境に立たされていた時のことを表現する言葉として用いられることがあった。そして時を経て、このレッテルは再び、経済苦に悩むドイツに貼られようとしている。「ヨーロッパのエンジン」と評された時代からは一転だ。
ドイツはアップダウンの激しい道のりを辿って来た。第二次世界大戦後、ドイツは見事に復興し、ヨーロッパ経済の主要なプレーヤーとなった。しかし、1998年には状況が一変。著名な経済学者ホルガー・シュミーディング氏が、ドイツの遅い経済成長と高失業率を指摘し、ドイツを「ヨーロッパの病人」と評した。その後、労働市場の改革と優れた経済成績で再度、立ち直りを見せた。しかし現在、インフレ率の高さと3四半期連続の生産高減少により、世界第4位の経済大国であるドイツは、2023年にG7で唯一のマイナス成長となる恐れがある。ドイツ銀行のCEOでさえ、ドイツは自己改革が必要であり、そうでなければヨーロッパの病人になってしまうと警告している。
ドイツの経済的落ち込みはいくつかの原因によってもたらされている。まずインフレが急上昇し、今年7月の消費者物価は昨年と比べて6.2%も高くなった。次に、ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー危機があり、製造業がその影響を受けている。さらに、官僚主義、デジタル化の遅れ、熟練労働者の不足など、既存の問題も解決されていない。さらに、アメリカの「インフレ抑制法」によって、企業は安いエネルギーを手に入れることができ、投資家がドイツから離れている。
まとめると、かつて経済のリーダーであったドイツが今、新しい問題に直面している。これらの問題は、1990年代後半に経験したものとは異なり、新しい解決策が求められている。メディアもすでに、ドイツが再び「ヨーロッパの病人」になるのではないかと指摘しているが、その理由は以前にそう呼ばれた時のものとは大きく異なっている。
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