生きた脳細胞が「Doom」をプレイする時代 When Living Brain Cells Learn to Play Doom
なぜ科学者たちは、生きた細胞にビデオゲームを教えているのでしょうか?今回は、機械と生命が融合する「生体コンピューター」の驚きの実験内容と、それがもたらす新薬開発や次世代の省エネ技術への大きな可能性について、英語で分かりやすく掘り下げます。
今回のポッドキャストです。お聴き下さい。
日本語訳
もしコンピューターに、本物の「脳」があったらどうでしょうか。少し奇妙に聞こえるかもしれませんが、オーストラリアの研究者たちは実際に、生きた人間の脳細胞をコンピューターチップ上に配置し、往年の人気ビデオゲーム「Doom」をプレイさせることに成功しています。
この実験を行ったのは、メルボルンを拠点とするバイオテクノロジー企業、Cortical Labsです。Doomを使った実験では、幹細胞から培養した約20万個の人間のニューロン(神経細胞)をシリコンチップに接続したシステムが使われました。機械と生きた組織が組み合わさった、いわば新しいタイプのコンピューターです。
脳細胞は、チップ上にある微小な電極につながれています。これらの電極が細胞に電気信号を送り、同時に細胞が発する信号を記録します。実験では、Doomのデジタル空間から得られる情報を、ニューロンが処理できる電気信号のパターンに変換しました。そして、脳細胞の活動を再びゲーム内の操作コマンドへと変換したのです。
Doomは、同社のニューロンが数年前に学習したシンプルなゲーム「Pong」より、はるかに難しい課題です。Pongでは、基本的にボールの動きを追い、パドルを動かせばよいだけでした。一方、Doomは3次元の世界を移動しながら戦い、その都度さまざまな判断をしなければなりません。
もちろん、このシステムはまだ「超人的なゲーマー」と呼べるレベルにはほど遠いものです。システムが操作するキャラクターは何度も倒され、そのプレーは熟練者というより初心者に近いものでした。それでも研究者によると、学習が進むにつれて、敵をより安定して、正確に狙えるようになっていったといいます。
では、なぜわざわざ脳細胞にビデオゲームをプレイさせるのでしょうか。
実はゲームそのものが目的ではありません。これは、生きたニューロンにどのようなことができるのかを試すための実験です。研究者たちは、こうした「生物学的コンピューター」が将来、医薬品の試験や医学研究、さらにはAIに似た学習を行うシステムなど、より実用的な分野で活用できる可能性があると考えています。
さらに、注目されるもう一つの大きな理由があります。人間の脳は、驚くほど少ないエネルギーで非常に複雑な処理を行うことができます。そのため科学者たちは、生きた細胞を活用することで、現在のコンピューターよりもエネルギー効率の高いシステムを作れるのではないかと研究を進めています。
今のところ、こうした脳細胞が人間のDoomプレイヤーと互角に競える日はまだ遠そうです。しかし、研究者たちの目的はゲームの腕前を上げることではありません。彼らが問いかけているのは、もっと大きなテーマです。
生きた細胞は、次世代のコンピューターハードウェアになり得るのでしょうか。
ポッドキャストの続きは
で!
月額1,000円〜 スマホで手軽に始めるビジネス英語学習
「マット竹内の1日5分ビジネス英語」ポッドキャストの英文記事スクリプトは、WISDOM SQUARE で提供のサービス 1日10分ビジネス英語 で配信されています。
1日10分ビジネス英語なら、ポッドキャストの英文記事スクリプトに加えて、内容理解クイズ、クイズランキングなどのコンテンツも充実しているので、ポッドキャストの内容の理解がさらに深まると同時に楽しく英語学習を進めていただくことができます。ポッドキャストから1歩進んだ英語学習をしたい方におすすめです。
1日10分ビジネス英語はスマートフォンでご利用いただけます。初回1ヶ月は無料でお試しが可能です!※1
是非この機会に1日10分ビジネス英語 をお試し下さい。
今すぐ無料お試しを申し込む※1 初めてご利用の方、1回限りとなります。
