英語力と世界のトレンドを同時にキャッチ!!

  1日5分ビジネス英語

アイスランド、EU加盟交渉に再び「NO」 Iceland Says No to EU Talks—Again

今回のエピソードでは、その背景にあるアイスランド特有の事情に迫ります。注目すべきは、彼らの経済の要である「漁業」。漁業権を自国でコントロールし続けることは、単なる経済問題にとどまらず、彼らの「国家のアイデンティティ」や「独立心」と深く結びついています。

今回のポッドキャストです。お聴き下さい。

 日本語訳

アイスランドは今回も、欧州連合(EU)への加盟交渉を再開しない道を選びました。8月29日に行われた国民投票では、EU加盟交渉を再開する提案に対し、52.8%が反対、47.2%が賛成票を投じました。投票率は82%を超えました。

では、なぜアイスランドの人々は「NO」と答えたのでしょうか。

大きな争点の一つが漁業でした。アイスランドでは漁業が経済の重要な柱となっており、直接・間接を合わせるとGDPのおよそ15%、輸出収入の約40%を占めています。多くのアイスランド人にとって、自国を取り囲む海域を自ら管理する権利は、国としてのアイデンティティや独立性と深く結びついています。

EU加盟に反対する人々は以前から、加盟すればアイスランドが自国の漁業水域を管理する権限が弱まる可能性があると懸念してきました。EU加盟国は「共通漁業政策(Common Fisheries Policy)」に従っており、そこでは水産資源の管理方法や漁業機会に関するルールが定められています。アイスランドの漁業関係者の間には、EUに加盟すれば、誰がアイスランドの海域で漁を行えるのか、またどれだけ漁獲できるのかについて、他国の影響力が強まるのではないかという不安があります。

こうした懸念は今に始まったものではありません。アイスランドは大規模な金融危機の後、2009年に初めてEU加盟を申請しました。しかし交渉が始まると、漁業はすぐに大きな難題の一つとなりました。その後、EU加盟に反対する政権が2013年に交渉を凍結しました。2015年には、アイスランド政府はEUに対し、自国を加盟候補国として扱わないよう求めました。ただし、当初の加盟申請そのものが正式に撤回されたわけではありません。

一方、今回はEUとの関係を改めて考え直す新たな理由もありました。加盟交渉の再開を支持する人々は、世界の不確実性が高まるなかで、アイスランドはこれまでの立場を再検討すべきだと主張しました。北極圏をめぐる緊張の高まり、経済面での懸念、安全保障上の不安の増大によって、EUとの結びつきをさらに強めることに魅力を感じるアイスランド人も増えています。

とはいえ、アイスランドはEU加盟国ではない現在でも、EUとすでに緊密な経済関係を築いています。欧州経済領域(EEA)を通じてEU単一市場にアクセスできるためです。その結果、EUに正式加盟しなくても、EUとの密接な経済関係がもたらす多くの恩恵を受けることができます。

最終的には、こうした現在の仕組みのほうが、より安全な選択肢だと多くの人に映ったのかもしれません。多くのアイスランド人にとって問題だったのは、ヨーロッパとつながりを持ちたいかどうかではありませんでした。より緊密な関係を得るために、「アイスランド人であること」の重要な一部だと考えているものについて、たとえわずかでも自らの管理権を失うリスクを負う価値があるのかどうか――そこが問われていたのです。

ポッドキャストの続きは で!

月額1,000円〜 スマホで手軽に始めるビジネス英語学習

「マット竹内の1日5分ビジネス英語」ポッドキャストの英文記事スクリプトは、WISDOM SQUARE で提供のサービス 1日10分ビジネス英語 で配信されています。

1日10分ビジネス英語なら、ポッドキャストの英文記事スクリプトに加えて、内容理解クイズ、クイズランキングなどのコンテンツも充実しているので、ポッドキャストの内容の理解がさらに深まると同時に楽しく英語学習を進めていただくことができます。ポッドキャストから1歩進んだ英語学習をしたい方におすすめです。

1日10分ビジネス英語はスマートフォンでご利用いただけます。初回1ヶ月は無料でお試しが可能です!※1

是非この機会に1日10分ビジネス英語 をお試し下さい。

今すぐ無料お試しを申し込む 

※1 初めてご利用の方、1回限りとなります。