サメ肌の飛行機 Planes Wrapped in ‘Shark Skin’

2025年12月15日

今回の記事は「サメ肌の飛行機」という内容です。さていったいどのような内容なのでしょうか。

今回のポッドキャストです。お聴き下さい。

本日のSentence

These coatings help air move more smoothly, save fuel, and lower CO₂ emissions. The idea comes from shark skin, which has thousands of tiny overlapping scales that let sharks glide easily through water.

これらのコーティングは空気の流れを滑らかにし、燃料を節約し、CO₂排出量を削減します。このアイデアはサメの皮膚に着想を得たもので、何千もの小さな鱗が重なり合うことで、サメが水中で容易に滑走できるようにしています。

ボキャブラリー

fuselage	noun	航空機の胴体部分。乗客や貨物が収容される中心構造。
certify	verb	必要な基準を満たしているとして正式に認証・承認すること。
meaningful	adj	重要な効果や価値を持つさま。
structurally	adv	構造的、または物理的な枠組みに関する方法で。
cut down	phrasal verb	量やレベルを減らすこと。

日本語訳

サメは空を飛べませんが、その「皮膚」は――ある意味では――飛ぶことができます。

現在、2つのグループがサメの皮膚に似たコーティングを開発しており、商業用や軍用の航空機に取り付けることで、空気の流れをよくし、燃料を節約し、CO₂排出量を減らせるようになっています。この発想は、サメが水中を滑らかに泳ぐことを可能にする、何千もの小さな重なったウロコから生まれました。

長年の研究を経て、ルフトハンザ・テクニック社と化学会社BASFは AeroSHARK という薄いフィルムを開発しました。これはサメの皮膚にある細い筋状の模様を再現しています。こうした小さな溝（リブレット）は、飛行機の表面を空気がよりスムーズに流れるようにし、抗力を減らして燃費を良くします。この技術は2019年にボーイング747-400で初めてテストされ、その後さらに試験が続き、2022年12月にヨーロッパの航空規制当局から正式に認証されました。その後、AeroSHARKはボーイング777Fや777-300ERにも取り付けられました。

テストの結果、このサメ肌コーティングによって燃料が約1％節約できることがわかりました。長距離フライトでは、この1％はとても大きな意味があります。ルフトハンザ・カーゴとスイス航空に続き、オーストリア航空、ANA、LATAMなど他の航空会社も導入を始めています。ルフトハンザ・テクニックは、この技術をエアバスA330ceoなど、さらに多くの機体に広げる計画です。

もう一つのサメ肌技術は、オーストラリアの航空宇宙企業 MicroTau が開発したもので、雑誌「New Scientist」が紹介しました。この特殊な素材は、飛行機の胴体、翼、尾部に「シールのように」貼り付けることができます。単なる**アドオン（追加部材）**であり、機体の構造を変える必要はありません。

同社の担当者によると、この素材を使うことで商業用旅客機は巡航中に約4％の燃料を節約できる可能性があります。金額にすると、航空会社や海運会社は燃料費を 340億ドル以上節約し、数億トンものCO₂排出を減らせる可能性があります。たとえば、エアバスA380にフィルムを貼った場合、シドニーからロサンゼルスまでの長距離フライト1回で 5000ドル以上の燃料を節約し、18トン以上のCO₂を減らせます。

MicroTauの素材は、アメリカの軍用輸送機ロッキード・マーティンC-130Jや、ブーム・スーパーソニック社が開発した超音速試験機 XB1 でもテストされています。また、アメリカのデルタ航空は、この技術を同社のボーイング767機に使用しています。