世界初の個別化CRISPR治療 World’s First Personalized CRISPR Treatment

今回の記事は「世界初の個別化CRISPR治療」という内容です。さていったいどのような内容なのでしょうか。

今回のポッドキャストです。お聴き下さい。

 本日のSentence

CRISPR is a method that lets scientists find the exact mistake in the DNA and fix it by cutting it out or replacing it.

CRISPRは、DNAの中の間違いを正確に見つけて、それを切り取ったり置き換えたりすることで修正する方法だ。

 ボキャブラリー

 日本語訳

すごいことが起きた。『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』に掲載された新しい報告によると、KJ・マルドゥーンという男の赤ちゃんが、たんぱく質を体内で処理できるようにするための遺伝子編集治療を受けた世界初の人物になったという。現在のところ、KJの経過は良好で、CRISPRと医療の未来に希望をもたらしている。

CRISPRとは何か？なぜ重要なのか？

DNAはすべての生きた細胞の中にある「小さな設計図」のようなもので、体の成長や働き方を指示している。この設計図に間違いがあると、病気の原因になることがある。CRISPRは、DNAの中の間違いを正確に見つけて、それを切り取ったり置き換えたりすることで修正する方法だ。これにより、遺伝子編集はこれまでよりずっと速く、正確にできるようになった。医療や農業、その他の分野で大きな可能性を持っている。

多くの科学者がCRISPRを研究しているが、ジェニファー・ダウドナとエマニュエル・シャルパンティエは、この正確な遺伝子編集法を開発したことで有名だ。彼女たちは2020年にノーベル化学賞を受賞している。すでに多くの人がCRISPR治療を受けており、FDA（アメリカ食品医薬品局）は鎌状赤血球症のためのCRISPRベースの治療薬「Casgevy」を承認している。

しかし、KJの場合はそれとは違う。彼が受けた治療は、たった1人のために迅速に作られた初のCRISPR治療だ。この治療法はKJの遺伝子の問題を直すために特別に設計されたもので、他の誰にも使われることはない。

治療開発に関わったペンシルベニア大学のキラン・ムスヌール医師はこう語っている。「これは医療の未来だ。現在治療法がまったくない、あるいは開発すらされていない希少な遺伝性疾患を治すための第一歩になる。」この新しい手法は医療を大きく変える可能性があり、多くの人に希望を与えている。