カカオの木なしでチョコレートを作る Making Chocolate Without Cocoa Trees

今回の記事は「カカオの木なしでチョコレートを作る」という内容です。さていったいどのような内容なのでしょうか。

今回のポッドキャストです。お聴き下さい。

 本日のSentence

Why? Because chocolate demand is growing, but cocoa supply is going down and becoming hard to predict due to climate change.

なぜなら、チョコレートの需要は増えている一方で、気候変動によるカカオ供給の減少と不安定さが原因で、カカオの価格は上昇しているからです。

 ボキャブラリー

 日本語訳

チョコレートが好きな人はたくさんいます。でも最近、カカオの価格が急に上がっています。さらに、アメリカの新しい関税の影響で、チョコレートの価格がさらに高くなるかもしれません。では、チョコレートを畑ではなく、実験室で作ることができたらどうでしょうか？

カリフォルニア州サクラメントにあるカリフォルニア・カルチャードという会社は、まさにそれを実現しています。創業者のアラン・パールスタイン氏は、「私たちは豆を騙して、私たちが望むように成長させている」と語っています。彼らのチョコレート作りの方法は、カカオの木から作る従来の方法とはまったく違います。

通常、カカオの木は3年から7年かかって成長します。一年に1回か2回花を咲かせ、この花がカカオ豆になるまでに5～7ヶ月かかります。収穫後、豆は発酵させられ、カカオリカーに加工され、粉末状にされてからチョコレートになります。

カリフォルニア・カルチャードは、小さな生きたカカオ豆を使います。しかし、それを土に植えるのではなく、特別な液体の中で実験室で育てています。このプロセスにより、通常の農業では得られにくいチョコレートの風味を作り出すことができます。また、彼らの実験室で作られたチョコレートは、重金属や農薬のような有害物質が含まれていません。

この「培養チョコレート」の市場は非常に大きくなる可能性があります。なぜなら、チョコレートの需要は増えている一方で、気候変動によるカカオ供給の減少と不安定さが原因で、カカオの価格は上昇しているからです。『ニュー・サイエンティスト』誌によると、2023年にカカオの価格は1トンあたり3,000ドルから、昨年末には12,000ドルに跳ね上がりました。チョコレートメーカーは今、新しい選択肢を探しています。

そんな中で、カリフォルニア・カルチャードは、品質が安定したチョコレートを無限に供給できるかもしれない存在として注目されています。フィンランドのファッツェル社や、イスラエルのココモッド社なども、この新しい分野に参入しようとしています。

次の課題は、十分な量の培養チョコレートを生産し、そのコストを低く抑えることです。最初は1リットルのカカオ細胞を育てるのに20ドルかかりましたが、カリフォルニア・カルチャードはこれを1ドルにまで削減しました。今後はさらに、1リットルあたりわずか2セントにまで下げることを目指しています。

もし正式な承認を得ることができれば、培養チョコレートは今年または来年には販売されるかもしれません。