分裂する西側諸国：ウクライナの損失、ロシアの利益 Fractured West: Ukraine’s Loss, Russia’s Gain

今回の記事は「分裂する西側諸国：ウクライナの損失、ロシアの利益」という内容です。さていったいどのような内容なのでしょうか。

今回のポッドキャストです。お聴き下さい。

 本日のSentence

The EU and Ukraine are not the only ones worried about the warmer relations between the US and Russia.

米露の友好関係を懸念しているのは、EUとウクライナだけではない。

 ボキャブラリー

 日本語訳

電話一本で、ロシアとウクライナの長く血なまぐさい戦争を止めることはできるか？まあ、現実的に言って、長いプロセスになるであろうことの第一歩であることは間違いなさそうだ。衝撃的な展開として、トランプ大統領は2月12日にプーチン大統領に電話をかけた。それから1週間も経たないうちに、リヤドで米露会談が数年ぶりに行われ、両首脳の首脳会談に向けた準備が進められている。

バイデン政権時代のアメリカはヨーロッパとともにウクライナの後ろ盾となっていたため、トランプ大統領のプーチンに対する働きかけは衝撃的だった。ウクライナは開戦以来、アメリカから1830億ドル以上を受け取っている。そのおかげでウクライナは、キエフを制圧しようとするロシアの計画を食い止めただけでなく、ロシアへの反攻を開始することができた。現在、米露間の緊張の緩和は、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領だけでなく、ヨーロッパにも憂慮すべき兆候を送っている。（どちらも、このトランプとプーチン発信の戦争を終わらせるという計画に参加するよう求められてはいない。）実際、アメリカ大統領は公然とゼレンスキー大統領を攻撃しており、「選挙も無しに成り上がった独裁者」と呼び、「迅速に動かないとウクライナを失う」と警告している。CNNによると、トランプ大統領は「キエフとその欧州の支持者を脇に置き、彼らの頭上で和平合意が結ばれる可能性に直面させている」と述べている。

では、この事態の変化によってヨーロッパはどうなるのだろうか？EUはウクライナへの支援を継続すると約束した。しかし、大西洋を隔てた旧同志がロシアに対して譲歩しているように見えるため、赤っ恥をかくことになるかもしれない。予想通り、ロシアのメディアはこの事態を、ロシアを孤立させようとする西側の努力の失敗と表現している。

米露友好関係を懸念しているのは、EUとウクライナだけではない。北京でも、この迅速な事態の展開に、米国の和平イニシアチブが、習近平が戦略的に培ってきたロシアのプーチン大統領との同盟関係や、中国とトランプ政権との微妙な関係にどのような影響を与えるかについての懸念引き起こしている。