ミャンマーでの奇妙な外為ゲーム Strange FX Game in Myanmar

今回の記事は「ミャンマーでの奇妙な外為ゲーム」という内容です。さていったいどのような内容なのでしょうか。

今回のポッドキャストです。お聴き下さい。

 本日のSentence

The main buyers of Myanmar’s gas, China and Thailand, are also turning away, further damaging the economy.

ミャンマーのガスの主な買い手である中国とタイも離れつつあり、ミャンマー経済をさらに悪化させている。

 ボキャブラリー

 日本語訳

2021年、タトマドーと呼ばれるミャンマーの軍隊が、選挙で選ばれた政府を打倒して国を掌握した。それ以来、ミャンマーは多くの変化に直面している。今日は、軍が操作するビルマ・チャットと米ドルの異常な為替レートに焦点を当てる。

エコノミスト誌によると、外国為替（FX）市場における通常の為替レートは、1米ドルあたり約4400チャットである。しかし、ミャンマーの輸出企業は、ドルの収益をもっと低いレートでチャットに変えなければならない。軍は輸出業者に対し、ドルの65％を1ドル2100チャットの公定レートで、残りの35％を約3500チャットのレートで換金するよう強制している。このシステムにより、軍は差額を受け取ることができる。

カタリスト・エコノミクスのジャレド・ビッシンガー氏によると、2024年6月末までの1年間で、タトマドーはこのシステムを通じて6.4兆チャット（約18億ドル）を稼いだという。しかし、この不公平な為替レートのために、輸出企業は収益の3分の1以上を失った。

このお金はどこに行くのか？そのほとんどは、タイやロシアなどの国から軍用品を買うために使われている。国連のオブザーバーによれば、この取引は昨年2億5000万ドル相当だった。また、この資金は特定の輸入業者、特に軍に支援されている肥料や燃料の輸入業者にも流れている。

軍のこの為替政策は、ただでさえ脆弱なミャンマー経済をさらに悪化させている。不公正な為替レートに加え、政府は2021年以来30兆チャット（68億ドル）を印刷し、非常に高いインフレを招いていると考えられている。エコノミスト誌によると、軍が支配権を握って以来、日用品の価格は426％も上昇している。

こうした問題は、トータルやシェブロンといった石油会社を含む外国人投資家を遠のかせている。ミャンマーのガスの主な買い手である中国とタイも離れつつあり、ミャンマー経済をさらに悪化させている。