エアコンは地球を暖めることなく人間を冷やすことができるのか？ Can ACs Cool Humans Without Warming the Planet?

今回の記事は「エアコンは地球を暖めることなく人間を冷やすことができるのか？」という内容です。さていったいどのような内容なのでしょうか。

今回のポッドキャストです。お聴き下さい。

 本日のSentence

This technology minimizes the power required for cooling, helping to keep rooms cool with reduced environmental impact.

この技術により、冷房に必要な電力が最小限に抑えられ、環境への影響を抑えながら部屋を涼しく保つことができる。

 ボキャブラリー

 日本語訳

暑い季節にエアコンは重宝する。快適に過ごすことができるし、命を救うこともできる。『エコノミスト』誌で紹介された『ランセット』という医学雑誌によれば、2019年には世界中で約20万人の高齢者の命がエアコンによって救われたという。しかし、エアコンの使用は環境にも悪影響を与える。エアコンを稼働させるのに必要なエネルギーが由来とするCO₂排出量は、すでに航空業界全体のCO₂排出量を上回っている。この問題を解決するために、多くの企業がより少ないエネルギー消費で稼働するより環境に良いエアコンを作ろうとしている。

ひとつの大きな課題は、部屋を冷やすには常にエネルギーが必要で、廃熱が発生することだ。また、ほとんどのエアコンは、インドやインドネシアのような非常に湿度の高い場所では作動しにくい。

マサチューセッツ州に本社を置くトランセラという会社は、湿度の課題に取り組んでいる。有機金属骨格（MOF）と呼ばれる特殊な素材を使い、空気中の水分をまるで小さなカゴに捕らえるかのように捕獲することができるのだ。つまり、エアコンは湿度を除去するためにそれほどエネルギーを使わずに済む。この技術により、使用するエネルギーを最大40％節約することができる。

また、トレリス・エア社は、空気をきれいにする特殊なフィルターをテストしている。この技術により、冷房に必要な電力が最小限に抑えられ、環境への影響を抑えながら部屋を涼しく保つことができる。

フロリダでは、ブルー・フロンティアという会社が「乾燥剤」と呼ばれる塩分を含んだ液体を使い、空気中の水分を取り除いている。水分が取り除かれて乾燥した空気は、蒸発と熱交換を含む独自のプロセスによって冷却される。ブルー・フロンティアのエアコンは、エネルギーを最大90％節約し、有害ガスを85％削減することができる。

こうした新技術の一部は、すでに実生活で利用されている。たとえば、ビバリー・ヒルトンやウォルドーフ・アストリア・ビバリー・ヒルズのようないくつかのホテルでは、ノストロモ社（イスラエル企業）の技術を試験的に運用している。凍った水の中に冷気を蓄える「アイスブリック」と呼ばれるものを使っている。この技術により、電力使用量とCO₂排出量を50％削減することができる。

このような新技術の開発は、地球を暖めることなく涼しく過ごせる未来への希望をもたらしてくれる。