グラスヒュッテのウォッチメーカー Watchmakers of Glashutte

今回の記事は「グラスヒュッテのウォッチメーカー」という内容です。さていったいどのような内容なのでしょうか。

今回のポッドキャストです。お聴き下さい。

 本日のSentence

Even though fewer than 7,000 people live there, the town makes some of the best watches in the world.

人口7,000人足らずの小さな町だが、この町では世界最高の腕時計が作られている。

 ボキャブラリー

 日本語訳

グラスヒュッテはドイツのザクセン州にある小さな町である。人口7,000人足らずの小さな町だが、この町では世界最高の腕時計が作られている。175年以上もの間、グラスヒュッテの時計職人たちは、その丁寧で細やかな仕事で知られている。

この町の成功は、1845年にフェルディナント・アドルフ・ランゲという人物が工房を開いたことに始まる。これが後にA.ランゲ＆ゾーネとなり、世界で最も高価な時計ブランドのひとつとなった。現在、町には9つの時計メーカーがある。その多くは、長年にわたって家族で受け継がれてきたものだ。これらの時計メーカーは、大量生産には関心がない。その代わり、最高の基準を満たす高品質で高級な時計を作ることに専念している。

他のビジネスと同様、グラスヒュッテの時計メーカーもロレックスやパテック・フィリップのような大手高級時計ブランドとの競争に直面している。しかし今は、彼らの最大の問題は競争ではない。それよりも、ドイツの極右政党AFDの影響力の高まりを心配している。

AFDは移民労働者を支持していない。しかし、これら9つの時計メーカーで働く1800人の従業員のほとんどは地元出身ではない。（小さな）町で熟練労働者を見つけるのは難しいのだ。もしAFDが今度の州選挙で勝利すれば、グラスヒュッテの時計産業に深刻な打撃を与えかねない。

『エコノミスト』誌の記事によれば、不安を抱えているのは時計メーカーだけではない。ドイツ全土の約40の企業が、AFDが政権を獲得する危険性について警告するキャンペーンを開始した。ザクセン州の家族経営企業協会もAFDに投票しないよう呼びかけている。

極右思想の影響力に対する闘いは新しいものではない。2018年、『フィナンシャル・タイムズ』紙は、ドイツ企業が反移民思想にどのように反発しているかについて書いた。グラスヒュッテにある最大手の高級時計会社ノモスは、従業員が極右思想を理解し、立ち向かえるようにワークショップを開催した。

当時、ノモスのウーヴェ・アーレントCEOは、「今日のグラスヒュッテは、スイスの「時計の谷」のドイツ版だ」と語った。それから5年、彼らは再びAFDの脅威に直面している。

彼らや他の企業は、有権者の意識を変えてAFDを政権から引き離すことができるのだろうか？それとも時すでに遅しなのだろうか？