ゲノム医薬品：その効果と価格 Genomic Medicines: Great, but Pricy

2024年8月30日

今回の記事は「ゲノム医薬品：その効果と価格」という内容です。さていったいどのような内容なのでしょうか。

今回のポッドキャストです。お聴き下さい。

本日のSentence

Hopefully, these ideas will be used to make genomic drugs more affordable for patients.

願わくば、このようなアイデアによって、ゲノム医薬品が患者にとってより安価なものになることを期待したい。

ボキャブラリー

Genomic	adj	細胞または生物に存在するすべての遺伝子や遺伝物質に関する
Disorder	noun	身体的または精神的機能の障害
Chronic	adj	(病気が）長く続いている、または絶えず再発する
Affordable	adj	高価でない
Known as	other	「Known as 」に続く名称で知られている

日本語訳

病気は2つのグループに分けることができる。ウイルスや悪い生活環境など、環境に起因するものと、遺伝性疾患と呼ばれる生まれつきのものだ。第2のグループは、DNAレベルで起こっている問題を解決することでしか治療できない。そして今、「ゲノム医薬品」によってそれが可能になった。

しかし、これらの医薬品は世界で最も高価なもののひとつである。一回の投与で300万ドル以上かかることもある！最近、『フィナンシャル・タイムズ』紙やその他の重要な情報源は、「レンメルディ」という新薬について語った。この薬は、幼児の中枢神経系に害を及ぼす非常にまれな遺伝性疾患の治療に使用される。レンメルディの価格は425万ドルで、史上最も高価な薬だ。アスペン研究所は、アメリカが約55万人の患者のゲノム治療に毎年300億ドルを費やすと予想している。

ゲノム医薬品が高額なのには理由がある。遺伝子編集、遺伝子セラピー、RNAベース治療といった高度な方法を用いるからだ。例えば遺伝子編集は、CRISPRのようなツールを使って欠陥のある遺伝子を慎重に切断し修正するもので、鎌状赤血球貧血やサラセミアなどの病気を治すのに役立つ。このような薬の開発に必要な資金を費やせる製薬会社はごくわずかだ。また、それぞれの患者のDNAに合わせて治療薬を作らなければならないため、その製造は複雑を極める。これらすべての要因が、ゲノム医薬品の価格をさらに高くしている。

一方、ゲノム医薬品のメリットはとても大きい。不治の病と思われていた遺伝性疾患を治すことができる。つまり、患者の生活の質を大幅に向上させ、慢性疾患の管理にかかる長期的な医療費を削減することができるのだ。

ゲノム医薬品をもっと手頃な価格にすることはできるのだろうか？

より多くの企業がより多くのゲノム医薬品を作ることができれば、価格は時間とともに大きく下がるかもしれない。また、保険会社や患者が支払いやすいように、費用を数年に分散する支払いプランを作るというアイデアもある。『エコノミスト』誌によれば、ネットフリックスのような定額制の支払いシステムが案として挙がっているという。

政府もまた、財政支援、規制の改善、公的研究への投資といった支援をすることができる。そうすることで、新たな企業が市場に参入し、価格引き下げ競争を促すことができるだろう。

願わくば、このようなアイデアによって、ゲノム医薬品が患者にとってより安価なものになることを期待したい。