戦争の瀬戸際に立つ西アジア West Asia Boils on the Brink of War

今回の記事は「戦争の瀬戸際に立つ西アジア」という内容です。さていったいどのような内容なのでしょうか。

今回のポッドキャストです。お聴き下さい。

 本日のSentence

While we hope that negotiations will ease the situation, that can only happen by restarting talks on a ceasefire in Gaza.

私たちは、交渉によって状況が緩和されることを望んでいるが、それは、ガザでの停戦に関する協議を再開することによってのみ実現しうる。

 ボキャブラリー

 日本語訳

大きな国際紛争の火種は、たいていの場合小さなものである。第一次世界大戦の直接的な原因は、1914年6月28日にボスニアの民族主義者ガヴリロ・プリンツィプによってオーストリアのフランツ・フェルディナント大公が暗殺されたことだった。同様に第二次世界大戦は、1939年9月1日にドイツが突如ポーランドに侵攻したことから始まった。今、世界は、イスラエル、イラン、レバノン、ヒズボラのような非国家組織、そしてアメリカを含むいくつかの国を巻き込む可能性のある、新たな大きな国際紛争の瀬戸際にある。無論、これから他の中東諸国が関与する可能性もある。

10月7日のハマスによる攻撃とイスラエルによるガザへの報復以来、ガザ（イスラエルの南に位置するパレスチナ自治区）がニュースになっているのは読者のみなさんもご存知の通りだ。この10ヶ月の間に、イスラエル軍によって何千人ものパレスチナ人が殺害され、イスラエルのほぼすべての近隣諸国とイランから強い怒りを買っている。その緊迫した状況の中、ヒズボラの幹部がベイルート（レバノン）でイスラエルの空爆によって殺害され、ハマスの政治指導者イスマイル・ハニェがテヘラン（イラン）でイスラエルの諜報員によって暗殺されたとされる。

この2つの殺害事件は、西アジアを一触即発の状況に追い込んだ。イランは復讐を約束し、ヒズボラも同様だ。彼らは他のほとんどの近隣諸国を味方につけているようだ。これに対し、アメリカはイスラエルを守るため、空母、軍艦、戦闘機隊をこの地域に急行させた。専門家によれば、いつ全面戦争が勃発してもおかしくないとのことだ。

イスラエルとヒズボラは過去に2度、1996年と2006年に紛争を起こしている。しかし、現在の状況はもっと危険である。ヒズボラの戦闘力が強くなっただけでなく、イランや他の国々が共通の敵（イスラエル）と戦っているからだ。本稿執筆時点で、イスラエルはすでにヒズボラのミサイル攻撃を受けている。

その危険性を認識した多くの国々が、イスラエルとレバノンへのフライトを停止し、自国民にこれらの国から離れるよう勧告を出した。

私たちは、交渉によって状況が緩和されることを望んでいるが、それは、ガザでの停戦に関する協議を再開することによってのみ実現しうる。その実現は極めて難しいだろう。