午前0時まであと90秒 90 seconds to midnight

今回の記事は「午前0時まであと90秒」という内容です。さていったいどのような内容なのでしょうか。

今回のポッドキャストです。お聴き下さい。

 本日のSentence

From 2007 onward, scientists included other factors such as climate change for the evaluation in addition to nuclear war.

2007年以降、核戦争だけでなく、気候変動などの要因も評価に加えるようになった。

 ボキャブラリー

 日本語訳

人類の危機を測る秒単位の時計があるのをご存知ですか？1947年にアルバート・アインシュタインら原子科学者によって作られた「終末時計」は、人類がどれだけ自滅に近づいているかを示すものだ。理論上の人類滅亡のポイントである午前0時の7分前にセットされたところから歴史は始まった。それが、今年の1月24日、午前0時まで残り90秒に調整され、これまでで最も人類滅亡に近くなった。

終末時計はどのように機能するのだろうか？信じるべきだろうか？

シカゴにある原子力科学者会報（Bulletin of the Atomic Scientists）は、13人のノーベル賞受賞者を含む原子力技術や気候科学の分野の科学者を擁し、時計を管理している。2007年から、核戦争への脅威に加えて、気候変動などの他の項目も考慮に入れられるようになった。科学者たちは、地球規模、人類規模の危機を評価し、定期的に時刻を更新している。ゆえに、終末時計は科学的な信頼を得ている。しかし、科学者たちは、この時計は核兵器や気候変動などの科学的な話題について議論を巻き起こすために作られたものであり、人類滅亡への脅威を正確に評価するためのものではないと説明している。つまり、この時計は人類滅亡までの時間を刻むものというより、人類が直面する脅威を象徴しているものと捉えることができる。

科学者たちは、75年の間に25回時計をリセットしてきた。（内8回が後退、17回が前進）冷戦が終結した1991年、時計は人類にとってこれまでで最も安全な1年であることを告げていた。時計は午前0時まで残り17分を指していた。

2020年に午前0時まで残り100秒に更新されたが、ロシアのウクライナ戦争による核リスク、気候変動への懸念、COVID-19パンデミックなどの不穏な出来事による脅威、テクノロジーの悪用増加などにより、今回10秒前倒しされることとなった。

今後の行動によって、午前0時に近づくか、安全に戻るかが決まる。Bulletin of Atomic Scientistsの社長兼CEOであるRachel Bronson氏は、「私たちは、人類がこれらの脅威を作り出したからこそ、それを減らすことができると考えています。」と語る。私たちと同じように、彼女も時計が午前0時を指さないことを願っているのだ。